本文
地域医療を担う医師の確保対策を求める意見書
本県の医療提供体制は、国が示した医師偏在指標において、医師少数県に位置づけられており、医師不足の解消が大きな課題となっている。
このような中、本県においては、医療法に基づき岐阜県医師確保計画を策定し、修学資金の貸与や、岐阜県医師育成・確保コンソーシアムと連携した医師のキャリア形成支援など、医師少数県からの脱却に向けて取り組んでいるところであるが、依然として都市部へ医師が集中している状況にある。
また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大により、医師数が比較的多いとされる都市部であっても、医療提供体制がひっ迫した状況を踏まえると、今後、新たな感染症による感染爆発が発生した場合には、医師不足により医療提供体制の確保がより一層困難になる恐れがある。
さらに、令和6年4月以降、医師の働き方改革として、勤務医に対する時間外労働の上限規制が適用されるが、医師が不足している地域において十分な医師確保が図られないまま対応を迫られた場合、地域の医療提供体制に多大な影響が生じることが懸念される。
よって、国においては、地域医療を担う医師を確保するため、次の事項について措置を講じられるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
記
1 医師の地域偏在、診療科偏在が依然続いていることに加え、今後の新興感染症の流行に備え、これまで以上に医師を確保する必要があることや医師の働き方改革の影響など、地域の実情に十分配慮した上で、医師需給推計を再度検証すること。その上で、地域に必要な医師が十分に確保されるまで医学部臨時定員増を延長するなどの対応を行うこと。
2 医師の働き方改革については、とりわけ医師少数県において、医師の勤務時間の縮減による救急医療の縮小など、地域の医療提供体制に影響を与えることのないよう対策を講じること。特に、臨床研修医の募集定員について、医師少数県に一層配慮した算定を行うなど、都道府県間の医師偏在解消に向けた抜本的な対応を早急に実施すること。
3 都道府県が実施する医師など医療従事者の確保に関する事業に対し、地域医療介護総合確保基金の充実など、十分な財政的措置を講ずること。
令和4年10月6日
岐阜県議会議長
(送付先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣、内閣官房長官