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知事記者会見録(令和6年11月29日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和6年11月29日(金曜日)15時00分

司会
 ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 知事お願いいたします。

知事
 私の方から3点ご報告させていただきます。「『清流の国ぎふ』文化祭2024」の振り返りでございますが、10月14日から11月24日までの42日間開催し、無事、閉幕を迎えたわけであります。
 県内全42市町村の参加を得て、330の文化プログラムを開催いたしました。結果、延べ260万人を超える方々にご参加いただきまして、当初の予想以上の参加人数であったと感じております。
 特に10月14日の天皇皇后両陛下の御臨席のもとで行われた開会式では、3,000名を超える方にご参加いただき、様々なパフォーマンスや、各地域から持ち寄った「ちーオシスタチュー」、また、山並みのパネルがずっと舞台を飾っていましたが、各地域の皆さんの手作りでありまして、手作り感のある開会式ということで、良いスタートになったのではないかと思っておりました。
 また、主な文化プログラムを紹介すると、1つは、「地芝居・伝統芸能フェスティバル」でございますが、1万3千人の方に各地域で行われた公演をご覧いただきまして、本県が地芝居大国であるということを十分にお見せすることができたのではないかと思います。
 また、今研究の途中段階ではありますが、「文化的処方」と言いますか、アート体験をすることによって、身体と心のケアを図っていくという、様々なこれについてのシンポジウムも専門の方々の間では大変好評でございました。
 また、地域の自然とアートということで、飛騨と美濃の接点の南飛騨になりますが、下呂の広大な土地を利用して「南飛騨Art Discovery」をやったわけですが、目標を5,000人としていましたが、1万人を優に超える方にお出でいただき、大自然の中でのアートを楽しんでいただきました。特に下呂の方々は、下呂温泉のアピールだけではなく、南飛騨の自然と合わせて地域の魅力を発掘していくということの意義について強く感じておられまして、この後のフォローについても積極的に議論していこうと考えています。
 また、文化の日の11月3日には、「文化芸術共創プログラム」ということで、障がいのある人もない人も誰もが参加できる、誰もが文化の担い手になるということでの様々なパフォーマンスをやっていただきました。
 それから海外との関係では、開会式で披露していただいたポーランドの国立民族合唱舞踊団「シロンスク」の公演は、開会式だけではなしに、恵那市(の会場)と、岐阜市のサラマンカホールで公演をしていただいたわけですが、ポーランドから60人の方がお出でになって、素晴らしい演技を見せていただきましたし、「リトアニアNOW」の一環として、リトアニアからもフォークダンスチームにお出でいただき、10か国と世界に開かれた「文化の大交流」を、この機会にそうした交流の深化を図ることができたと思っております。
 また、佳子内親王殿下にお出でいただきました「国際陶磁器フェスティバル美濃’24」でありますが、手元の資料では、10万人におよぶ方々にご来場いただきました。世界の四大陶磁器コンペティションは、多治見、新北(台湾)、利川(韓国)、ファエンツァ(イタリア)の4箇所ですが、今回の多治見の陶磁器フェスティバルは、77の国・地域から3,890点の応募があったということで、ボリュームの点では、世界最大規模の陶磁器展になりました。そうしたことも含めて、非常に盛り上がったということです。
 閉会式でございますが、1,500名を超える方々にご参加いただき、振り返りをしながら、来年度開催の大石長崎県知事に大会旗を引き継がせていただきました。
 清流文化の集大成としてこの文化祭を開催させていただきましたが、地域への愛着と誇りを再確認するということと、一人ひとりが共に輝く「共生・共創社会」を実現することを理念として描きながら進めてきたわけですが、特に「共生・共創」という観点から、「ともに・つなぐ・みらいへ」というスローガンでやってきたわけですが、そういった思いから、「清流の国ぎふ憲章」の「知、創、伝」の三文字に「ともに」という言葉を表す「共」という一文字を加えて、「知、創、伝、共」としました。
 気づかれた方もいらっしゃると思いますが、今日から県庁1階の「GALLERY GIFU」の横に(挾土秀平氏が制作した「知、創、伝、共」の左官作品の)展示を始めたところでございます。挾土秀平氏の特徴のある、勢いのある文字が並んでおりますが、「知、創、伝、共」の「知」という文字は、岐阜県は刃物の産地でもありますので、刀をイメージした字になっておりまして、切れ味と言いますか、「知」という切れ味、刀の切れ味という思いを込めた字になっております。「創」という文字は、最初に屋根がありますが、岐阜の山々をイメージしながら書いたと、それから「伝」という文字は、「にんべん」が岐阜県の川をイメージして書いたと、そのような話を(挾土秀平氏と)しました。また、長良川の細かい砂利・砂を持ってきて、それを塗り込んで描き込んだと。岐阜県の一つの目指すべきシンボルとして見ていただけたらと思っております。
 いずれにしましても、閉会式の挨拶で申し上げましたが、「清流文化」には終わりはないということで、この祭りも「まつりで終わらないまつり」をずっと言い続けてきたわけですが、そういった意味では、今後ともこの流れは続くわけでありまして、先ほど申し上げましたような「ちーオシ」に代表される地域の住民運動の取組みや、それからアートによる地域の活性化、それから文化的処方や共創プログラムといったような取組みも継続してやっていくのだろうと思っておりますし、海外との交流も更に更に深めていこうと思っております。近いうちに企画委員会の方々にも改めて集まっていただいて、総括をすると同時に、今後引き継ぐべきレガシーをどのように整理するか、まとめていきたいと思っております。
 いずれにしましても、おかげさまで大会を無事かつ成功裏に終わることができました。関係各位のご尽力と県民の皆様のご理解、ご協力の賜物でありまして、改めて感謝申し上げる次第でございます。ということで、「『清流の国ぎふ』文化祭2024」についての振り返りを申し上げたところです。
 
 それから、お手元に資料がありますが、岐阜県県有施設予約システムのリニューアルについてです。
 現在、県有施設の一部について予約システムがありますが、その保守・運用期間がこの12月末で終了するとなっておりますので、思い切って見直そうということで、来年の1月から県内8市町も参加して、さらに施設の数を思い切って増やして、新システムの運用を開始しようということでございます。
 特に、これまで利用者から、「県有施設だけでなしに、市町村の公共施設も入れたらどうか。」というようなご要望をいただいておりましたし、DX推進という観点から、利便性の向上と公共施設の利用促進を図るため、県内市町村にも呼びかけて、8つの市町から参加希望があり、共同で新たなシステムを導入するということになりました。
 現在の22の県有施設から県施設だけでも105施設、それから参加する市町から244施設、トータルで349施設を対象に、いろんな公共施設の空き状況の確認でありますとか、予約の申込みでありますとか、さらに一部施設においては、利用料金をオンライン決済できるということにもなっておりまして、予約時に料金支払いまでを完結することができるということで、格段の利便性の向上になるのではないかと思っております。
 こうした利便性の向上を通じて、これまで以上に文化、スポーツ、レクリエーション、様々な分野で公共施設を有効活用していただければと思う次第でございます。

 それから3番目でございますが、「知的財産マッチング事業(口腔ケア製品)」の成果報告についてです。この会見の後に別室で関係企業の方々にお出でいただいて商品についてご紹介いただくことになっておりますので、詳しい説明は改めてそこで聞いていただきたいと思います。「3秒マウスケア」という商品でございますが、この知的財産マッチング事業というのは、令和3年度から岐阜県として始めたものでございまして、中小企業が持つ技術と大企業が持つ開放特許をマッチングさせて、新しい商品開発に繋げていこうという試みでございます。
 今回、商品化第1号が完成したということで、ご披露する次第でありますが、12月5日から専用のECサイトで販売開始される予定でございます。
 この第1号はナチュラルミネラルウォーター等を製造販売している関市の奥長良川名水株式会社が、砂糖など糖類を製造するメーカーとして著名なウェルネオシュガー株式会社の開放特許技術を活用して、口腔化粧品「3秒マウスケア」を商品化したということでございます。
 口の中の浄化に非常に効果があって、スプレー方式で吹きかけるだけということで、日常はもちろんでありますが、歯磨きが困難な場面、例えば、災害時の避難所、断水地域、入院時とかでも簡単にオーラルケアが可能になるという性質のものであります。
 この両社は令和5年8月に県が主催しましたマッチング交流会「知財ビジネスマッチングin 岐阜」というイベントを契機にマッチングし、県の伴走支援も含めて、今回の早期の商品化に至ったということでございます。
 ということで、商品そのもののご紹介はまた別室の方で両社からお話いただけると思いますので、よろしくお願いします。私の方からの報告は以上です。

記者
 
国会の方で所得税の「103万円の壁」の引き上げについて議論が進んでおりまして、地方税収の減少という反面もありながら、一般家計の可処分所得のアップということで、どちらが重いか、難しい政治的な判断ではあると思うのですが、岐阜県知事というお立場から、今回の事についてのご所感と言いますか、お考えをお聞かせください。

知事
 
まず、「103万円の壁」と言われるものについて、随分前に設定されたものでありまして、その後の経済情勢で、最低賃金が増えてきているとか、物価上昇でありますとか、それから近年の担い手不足、人手不足の問題とか、いろいろな経済情勢の変化の中で見直しをするということは、一定の合理性があるのではないかと思っております。これを通じて、地域経済の活性化とか人手不足対策とか、そういったことにも資する分は当然あるわけで、そういった点においても注目しているわけですが、他方で地方税である個人住民税の減少にも繋がるわけでありますから、単に新しい制度を導入して、そして減収分は放りっぱなしというわけにはいかないのではないかと。かつ、その額が機械計算をざっとしてみても、例えば岐阜県だけで個人住民税が220億円、地方交付税は110億円、合わせて330億円の減になるのではないかと。それから市町村も合わせますと、個人住民税が545億円、地方交付税200億円、合わせて745億円の減になるのではないかということでございます。これだけの規模の減収をまともに受けては、とても県も市町村もこれまでの行政サービスを従前のように提供するというのは大変難しいわけでありまして、当然、その分についてはしっかりと補填をしていただきながら、必要な前向きな政策は政策としてやっていただくと。その場合に、「103万円の壁」がどの程度、もうこれは廃止すると決まったわけでありますから、それがどの程度の高さのところで線が引かれるのか、それによってどの程度の影響が及ぶのか、その影響に対してどういう対策が講じられるのか、その辺りがこれから急速に議論が進むと思いますので、大いに注視していきたいと思っておりますし、知事会全体としてもそういう観点から、機会があるごとに意見を申し上げてきているという状況であります。

記者
 
発表項目の中から、文化祭についてお聞きします。
 前の記者会見でありますとか、議会の答弁でも、文化祭でレガシーを残していくことが大事だとお話されていたと思うのですが、今回の文化祭を通じて、どのようなことがレガシーとして残せたかお聞かせください。

知事
 
文化と一口に言っても非常に幅が広いですから、全部束ねてはなかなか難しいのですが、私どもはまずこの文化祭をやるにあたって、考え方と言いますか、何を目指すのかということについて、一定の整理をしたわけであります。1つは「清流文化」と言いますか、岐阜県の文化をさらに深化をさせていく、深く掘り下げていくというのが1つの目的です。もう1つは外への発信ということと、それから3番目に、これは少し次元の違う話でありますが、まさにこれはオールジャパンの行事でありますので、特に能登半島地震の復興祈願と言いますか、文化交流の中でも特に前年の開催県が石川県でもありましたし、こういう国民的な文化行事の中でも、復興祈願というか祈念に繋がるようなそういう姿勢が大事ではないかと、この3つを念頭に置きながらやってきたわけです。
 第1の文化の深化という観点では、これもいろんなことがあるのですが、1つは地域資源と言いますか、地域文化の発見、発信ということで、「ちーオシ運動」もその1つでありますが、あるいは地歌舞伎とか地芝居とかいろいろありまして、そういう地域資源、地域文化の発見発信。それから2番目に自然と文化の関わりということで、岐阜の大自然というものと、それから「清流文化」とどのように関わっていくかということで、一つの試みとして、「南飛騨Art Discovery」がありましたが、そういったアプローチを取り入れていこうと。それからアート体験による身体と心のケア、先ほど申し上げました文化的処方、これは国際的にも、また国内でも岐阜大学と東京藝大が共同研究しておりますので、そういうアートの力や効用というものをさらに掘り下げていく契機になれば良いのではないかと。それから、4番目に、これはしばし忘れがちなのですが、伝統とか文化を保っていくためには、そのための担い手とか、道具とか、そういった技を維持するための必要なものがあるわけで、それを作る担い手なり文化も保存していかないといけないということで、高山の施設で匠の技の保存ということで、いろんな角度から道具に至るまで、しっかりとした展示をやってアピールしたわけであります。そういう伝統技術の保存、継承という辺り、こういった点を「清流文化」の深化とか深掘りということでやっていこうと。
 それから、外への発信、これはもう文字通り、国内もさることながら世界に開かれたということで、積極的により多くの国と交流を進めていこうということで、そしてその究極の目指すところは、地域への愛着と誇り、シビックプライドと言われておりますが、そして、「共生・共創社会」、「ともに」という理念を社会生活の中でしっかりと根付かせていくということを念頭において、いろんな文化事業をやったわけでありますが、そういう目的、理念に沿った活動を一つひとつ評価をして、これをどう継続するのか、あるいは発展させていくのか、どう変えていくのかということを、一つひとつ、アイテムごとに振り返りもし、分析もし、やっていきたいと思っております。今のところ、多くの市町村からの声としては、「ここまで来たんだから、ぜひ続けたい。」とか、あるいは「2年に1回とか3年に1回とか、ビエンナーレ、トリエンナーレの行事として、その地域固有のものにしたい。」とか、いろんな動きや意見がございますので、そういった意見一つひとつ丁寧に積み重ねていきたいと今思っております。それからもう1つは、今後のスケジュールとして、今申し上げました、いろんな様々な観点からの文化活動を発信する舞台がこの先たくさんありまして、例えば、来年の4月から6月にかけて、「第42回全国都市緑化ぎふフェア」がございまして、テーマが自然と共生した暮らし、グリーンライフというものをこのフェアの中で中心的な課題にしてアピールしていこうと、これは今回いろいろやってきたこともいろんな部分が繋がってくると思います。それから国際交流という観点から、「大阪・関西万博」の国際交流プロジェクトに、私ども8か国について手を挙げておりますが、自治体自身の参加催事もありますので、「大阪・関西万博」で今回の文化祭のレガシーとして何をどのように検討してアピールしていくかという、この舞台でのアピールの仕方というのがあると思いますし、それから、各国のパビリオンとその交流のある国とのパビリオンと岐阜県との交流があると思っております。
 それから10月には「ねんりんピック岐阜2025」がございまして、一旦延期、中止したものを、なんとかやりたいという皆さんの願いで、もう1回手を挙げたわけであります。大会の目標が「スポーツ・文化の振興」であり、また「地域共生社会」の実現ということでございますので、このねんりんピック大会もレガシーを引き継ぐ場であるのではないかと思いますし、もう一つ再来年になりますと、神奈川県で「国際園芸博覧会」がございます。これは万博の、いわば特定のテーマに絞った国際万博なのですが、そこでも「清流文化」の発信という舞台に足りうるだろう、今度、世界に発信する舞台になるだろうと思っています。
 ということで、まだこれから検討していくわけですが、単に維持、継承していくだけではなしに、発信する舞台もたくさんありますので、そういったことも有効に活用しながら形にしては良いのではないかと思っております。

記者
 
今月、本巣市の養鶏場で発生した鳥インフルエンザに関連して、防疫体制についてお伺いします。
 ちょうど今回発生前の10月末の防疫対策会議では、今季から防疫資材の管理の一部見直しであるとか、一部の業務について民間委託を図っていくというお話もあったかと思いますが、今回のケースに関して、どのように反映されたと言いますか、今回のケースで言いますといろいろイレギュラーな事態もいくつかあったかと思うのですが、改めて今回の防疫作業に関して知事からの総括をお願いします。

知事
 
正直に言うと、まだ総括できる段階ではないです。移動式焼却装置の設定をして、今一つひとつ丁寧に焼却している段階でありまして、現状で昨日までに大体4割ほど焼却を終えておりまして、順調に進んでおりますので、このままいけば12月4日に終わる予定でありますし、その後の撤収作業も含めて、(12月)7日には完全に終わると思いますが、その後は、移動制限の解除をどうするかということがございますので、そういった手順をまず一つひとつきちんとやっていくということが当面の課題であると思います。それから今回の事態に則して言えば、処理場の確保ということについて、もう少し前広に今回の反省に立って、処理場の安全性とか課題というものをもう1回点検したら良いのではないかということを思っております。
 それと、そもそもどこから発生したのかということについて原因分析が必要なわけで、農水省の調査も来ておりますが、その辺りを、発生の原因のところまで遡って、きちんと見据えながら、それに対して手を打っていくということであります。
 今のところ、まだこれとこれをこうやるとこうなるという総括までに至っていない状況ですが、どこかでまたまとめて申し上げたいと思います。

記者
 
来年1月の知事選についてお伺いします。前回の知事選にも出馬された江崎禎英さんが自民党の推薦が決まりまして、立憲民主党、国民民主党の推薦ともなる見通しとなっています。また、県民が主人公の岐阜県政を作る会から、和田玲子さんが共産党の推薦を得て、出馬されることを明らかにされました。この一連の動きに関して、知事のお考えを改めてお願いします。

知事
 
特段の考えはないですが、大事な選挙ですからそれぞれの動きについての流れは注目しておりますが、私自身が選挙に直接関わるわけではありませんので、大事な選挙として、しっかり注目していきたいということで、それ以上私の方から特に申し上げることはありません。

記者
 
先日、リニアの関連で、地盤委員会があったかと思います。その委員会で、瑞浪市の大湫地区で地盤沈下がさらに進み、月に大体1cm位ずつ進行しているという報告がございました。これに関して知事のご所見と、JR東海に対して、地盤沈下が止まらない、湧水が止まらないという状況が続いていることに対して、どういった対応を求めていかれるでしょうか。

知事
 
今はいろんな角度から、時系列的に湧水の状況とか、地下水の低下の状況でありますとかの統計のデータを取り、分析を進めているところでありますが、これと地盤沈下との繋がりは否定できないというところまできたということです。そういう中で、従来予定していた工法について、鹿児島の北薩トンネルの出来事を踏まえて、これまで通りの方法でやるのか、代替案を考えていくのか、これまで通りだとしたら、北薩トンネルの事案との兼ね合いで、どういうことを考えてやっていくべきかとか、そういった論点が明らかになっていますので、すでに専門家会議も8回を数えているわけですが、論点がかなりクリアになってきたのではないかと今思っております。おっしゃるように、刻々とデータ的には、特に地盤の問題は悪化してきていますので、できるだけ早いタイミングで方向性を見出していく必要があるのではないかと思っております。JR東海に対してもですし、専門委員会でもそうですし、私どもとしてもです。やはり早急にその方向性について、しっかりとした考え方をまとめていただく必要、かつ提示していただく必要があるのではないかと思っています。特に瑞浪市長もこの間出席されて、現地の住民の方々の不安とか、思いもお話されましたし、特に瑞浪市長が強調しておられたのは、今後の具体的な段取りをどのように問題解決に向かって進めていくのかという、その辺りのスケジュールも含めた見通しをしっかり出してくれということでございまして、JR東海の方で、次回会合ではその辺りの見通しについてご提案をいただきたいと思っております。

記者
 
「103万円の壁」に関連した質問です。先ほど知事の方から、知事会を通じて意見を申し上げていきたいとのお話がありましたが、繰り返しとなりますが、具体的に現時点で国に対してどのような要望をしていきたいですか。

知事
 
「103万円の壁」を設定してから日時も経っておりますし、状況の変化があるわけですから、そういったことを踏まえて見直しをするということについては、合理的な理由があるだろうと今思っているところです。そのことを通じて、地域経済の活性化とか、人手不足の中での働き控えというような、そういう事態もかなり回避できるのではないかというようないろいろなプラス面があるわけです。そういった意味では、方向としては重要だと思っておりますが、これは税制の問題でもありますので、単純に緩めればその分だけ歳入に穴が空くということですので、穴が空いた結果、地方も含めて財政と言いますか、行政サービスが立ち行かなくなるというようなことも大いに懸念されるわけであります。機械計算ではありますけど、かなりの額の減収が予想されますので、そこのところをきちんとどう補填するのか、しかもその借金をして、先送りをして補填するのではなしに、真水でしっかりと補填をするということでもって、全体の体系が完結すると思いますので、そこのところをしっかりと議論がされるように、いろんな角度から意見も言っていきたいということになります。

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