本文
※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。
司会
ただいまから知事会見を始めさせていただきます。
本日は発表項目の1つ目といたしまして、災害時における福祉用具等物資供給等協力に関する協定締結式を行います。そのため、本日は一般社団法人日本福祉用具供給協会の小野木孝二様にご出席をいただいております。どうぞよろしくお願いいたします。
締結式の流れでございますが、協定の締結、写真撮影、小野木理事長からのご挨拶、知事からの挨拶、質疑応答という形で進めさせていただきます。
それでは協定の締結に入らせていただきます。
お手元の協定書にご署名をいただき、署名が終わりましたら協定書の交換をお願いいたします。
(協定書署名)
司会
ありがとうございました。
それでは、写真撮影に移らせていただきます。写真撮影には、日本福祉用具供給協会岐阜県ブロック副ブロック長の長村吉章様にもご参加いただきます。よろしくお願いいたします。
それでは恐れ入りますが、ご起立をいただきまして、知事と小野木理事長のお二人で協定書をお持ちの上、中央にお出でください。それでは撮影をお願いいたします。
(写真撮影)
ありがとうございました。
ご着席ください。
それでは、小野木理事長からご挨拶をいただきます。よろしくお願いいたします。
小野木理事長
ただいまご紹介いただきました、日本福祉用具供給協会の理事長を務めさせていただいているとともに、岐阜県ブロックのブロック長も務めさせていただいております、株式会社トーカイ会長の小野木でございます。この度は岐阜県さんの方と福祉用具等に関係する災害協定の調印に至りましたこと、古田知事をはじめ岐阜県の関係部署の皆さんに、心から御礼を申し上げたいと思っております。
日本福祉用具供給協会(日福協)は、全国で福祉用具のレンタル事業をしております。会員351社で成り立っておりまして、2000年の介護保険制度が始まって以来、福祉用具のレンタルに力を注いでまいりました。
そんな中、東日本大震災の時に、福祉避難所というものが設営されたにも関わらず、残念ながら、日福協としてそれに対する支援ができていなかったという反省のもとに、全国の主に保険者であります市町村さんの方と、災害時における福祉用具を福祉避難所の方に日福協の方から供給させていただき、必要がなくなったらそれを回収するという協定を結んでまいりました。現在、199の自治体と(協定を)結んでおりまして、今回の岐阜県が200番目ということになります。そんな中、今回の能登の地震におきまして、結果といたしましては、大変大きな災害になったわけでございますが、保険者であります市町村さんの方とも協定を結んでいたのですが、実際には、市町村さんの方はそれどころではないと、実際に福祉避難所については、ほとんどが災害をあまり受けられなかった金沢市であったりとか、石川県の南側、そちらの方に避難をされておりまして、そちらの方に我々の方は供給をさせていただいたという状況でございます。ピーク時におきましては、ベッドが130台、車椅子200台等々、大変多くの福祉用具を災害避難所、福祉避難所へ供給をさせていただいたという状況であります。
我々の方も、各市町村との個別の協定も大事ではありますが、もっと大事なのは都道府県さんと災害協定を結ぶことだと思っておりまして、そのようなことで岐阜県さんの方にもお願いをしまして、今回、この協定の調印に至ったという状況であります。都道府県としては岐阜県が9番目の協定の調印ということとなりました。協会として、これから全国の都道府県の方とこのような災害協定を結んでまいりたいと考えております。それによって、いろんな災害に遭った時に、福祉避難所の方に我々の方もタイムリーに福祉用具を供給させていただき、要介護認定を受けられた方であったり、お年寄りの方々に福祉避難所の方で快適な体制で生活できるようなことに、我々の方としても少しでもお力をお貸しできればと思っております。どうかよろしくお願い申し上げます。以上です。
司会
ありがとうございました。続きまして、知事お願いいたします。
知事
改めまして、協定を締結していただきました、一般社団法人日本福祉用具供給協会の小野木孝二理事長をはじめ、関係の皆様に御礼申し上げます。ありがとうございます。
今、お話もございましたが、日本福祉用具供給協会におかれましては、能登半島地震におきまして、特に避難先である福祉施設で必要な介護ベッドなどの福祉用具を供給するということで、しっかりとした体制を整備しておられまして、このことも多くの高齢避難者の迅速な避難所への受け入れに繋がったと伺っております。
この協定を締結することによりまして、岐阜県におきましても、その経験やノウハウをもとに円滑にご支援いただけるということで、大変意義深いものと考えております。
今回200件目の自治体という話でしたが、先ほどのお話にもありましたように、都道府県でいいますと9番目、中部地方では岐阜県が最初になるわけでございます。また市町村でいいますと、岐阜県内では岐阜市、岐南町、各務原市、土岐市、美濃加茂市の5つの市町が既に協定を結んでおりまして、県とこれらの市町とのそれぞれの協定を合わせて、力強いネットワークができると思っております。この協定の目的は、まさに避難所等で必要とされるような福祉用具などの物資を災害発生時にご提供いただく、確保していただくということです。まずは県において具体的なニーズをしっかりと把握をして、それを協会の方へ具体的に要請申し上げると、そしてこれを受けて協会の方に指定の場所に搬入していただくということでシステムが回っていくということでございます。
お手元の資料にあると思いますが、介護ベッド、車いす、手すり、スロープなどの他、シーツなどの衛生用品も併せて想定しております。
あと、車椅子などの福祉用具は、使われる方の状態に合わせて調整が必要であるわけですが、この取扱いに精通した協会の皆さんとの連携体制ということで、そうした調整の点でも上手くいくのではないかなと思っております。
今年は年初の能登半島地震、それから奥能登豪雨、さらに8月には我が国で初めてとなります南海トラフ地震の臨時情報の発表、また県内でも8月に台風10号の影響によって西濃でも浸水地域があったわけでございまして、各地で災害が頻発しております。そういう意味で今回の協定を契機に、さらに気を引き締めて、しっかりとした災害対策に取り組みたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。改めてありがとうございました。
司会
それでは、記者の皆様からこの協定に関するご質問を承りたいと思います。
記者
古田知事にお伺いしたいのですが、先ほども少しお話があったと思うのですが、今回の協定の締結の経緯について、もう少し詳しくお伺いしたいです。やはり能登半島地震の経緯が今回の協定の締結に至った要因でもあるのでしょうか。
知事
私ども、「能登半島地震に学ぶ」ということで、いろいろと応援をしながら現地の状況をつぶさに分析をして、いざ岐阜県で起こった時にどう対応するかということで体制の強化を進めているわけですが、そういう中で、先般小野木理事長の方から直接この協定締結についてご提案をいただきました。私どもとしても、大変ありがたい提案ということで、早速締結の運びになったということでございます。
記者
小野木理事長にお伺いしたいのですが、もちろん災害の規模にもよるとは思うのですが、対象品目で介護用品であるとか、衛生用品等々あると思うのですが、災害が起きた時にどれくらいの量を提供できるのかという目安みたいなものはありますでしょうか。
小野木理事長
私どもの方は、必要なものは極力供給をさせていただくと。それは(能登半島地震の際に)石川県へは我々の会員企業の富山県の方からも支援をいたしましたし、近県からも一部支援をいたしました。そのようなことで、近隣の会員企業の方もひっくるめて福祉避難所の方で必要な福祉用具については、極力しっかりと対応していきたいと思っております。
記者
基本的には足らないことはないようにしているということでしょうか。
小野木理事長
はい、できると思っています。
記者
小野木理事長にお伺いしたいのですが、この福祉用品についてなのですが、こちらについては加盟されている会社さんから確保するような形になるのでしょうか。実際県から要請があった場合、加盟されている福祉関連会社さんの方が持っているものを供給することになりますでしょうか。
小野木理事長
そのとおりです。
記者
基本的には、やはり福祉避難所を想定されているということになるのでしょうか。それとも、衛生用品等は一般の避難所でも使うことがあると思うのですが、いかがですか。
小野木理事長
基本的には福祉避難所という部分を考えております。
記者
小野木理事長に質問させていただきます。
岐阜県内でも他に5市町が協定をこれまでに結んでいるということなのですが、今後、岐阜県内で災害が起きた場合には、この5市町に関しても県を窓口に支援されるということでよろしいでしょうか。
小野木理事長
そういったケースも発生すると感じています。
つまり、大規模災害については、岐阜県の指導のもとに供給をさせていただく方がスムーズに進むのではないかと。今回の能登の地震を受けて、我々もそういうような勉強をさせていただいたと思っております。
記者
この5市町以外も、県内の市町村全てで同じような支援が受けられるということになるのでしょうか。
小野木理事長
県の要請があれば、そのような形で対応させていただきます。
司会
以上をもちまして、協定の締結を終了させていただきます。小野木理事長さんにはここでご退席いただきます。どうもありがとうございました。
それでは、次の発表項目に移らせていただきます。知事、お願いします。
知事
私の方からは、中間段階ですが、「『清流の国ぎふ』文化祭2024」の開催状況についてご報告申し上げます。先月14日から今月24日まで42日間ということで開催しておるわけですが、いよいよ後半戦に入ったということでございます。
まず初日の14日でございますが、天皇皇后両陛下の御臨席のもとで3,000名を超える方々に参加していただきまして、開会式を盛大に開催させていただきました。両陛下の御来県でありますが、御即位後は初めてということであります。それから御即位前の平成28年11月の「第19回全国農業担い手サミットinぎふ」では皇太子及び皇太子妃ということで両殿下にお出でいただいておりまして、それ以来8年ぶりにお二人でお出でいただいたところでございます。それから、岐阜県への天皇皇后両陛下の行幸啓という意味で言いますと、平成24年の「ぎふ清流国体」以来12年ぶりということでございます。
開会式では42市町村が制作した「ちーオシスタチュー」と言いますか、竹と和紙で作ったいわば行灯なのですが、その地域の魅力をみんなで相談をして、手作りでお作りになって、それを会場の上空に飾らせていただいたわけでありますが、併せて応援大使の案内によって、様々な芸能・舞踊の実演などのパフォーマンスがございました。大いに清流文化を発信して、文化祭の始まりを伝えるムードの創出ができたのではないかと思っております。それから、ラストに「清流ウイングハート」という、「ちーオシスタチュー」のイラストが描かれたハート型のものが上空から舞っておりましたが、両陛下がそれをお持ちになって掲げられた際には、大変会場全体が一体感に包まれていたのではないかと、そんな印象でございました。
それから両陛下とオープニングステージの出演者の方々とのお声がけと言いますか、御交流が開会式後にあったのですが、特に印象に残りましたのは、古田桃香さんという方に朗読をやっていただきましたが、これは半分冗談ですが、私の孫も「ももか」と言うものですから、その話は彼女に申し上げたのですが、私もちょっと親近感を感じたところなのですが、実は数年前に天皇陛下が皇太子殿下として育樹祭でお出でになりまして、その際に岐阜の盲学校を訪問され、その折に生徒であった古田さんが、殿下の前で童話のようなものを朗読されまして、それ以来の再会ということで、天皇陛下がよく覚えておられまして、その話をされて、古田さん御本人も大変感激されたということが印象的でございました。
それから、主な事業の開催状況なのですが、文化祭に先駆けて9月から開催しておりますが、「清流の国ぎふ 地芝居・伝統芸能フェスティバル」では、10月末まで、既に「ぎふ清流座」も含めて、県内のあちこちの芝居小屋、舞台で28公演を開催いたしまして、延べ6千4百人の方にご来場いただいておりまして、本県で受け継がれてきた地芝居の魅力をご堪能いただいておるところでございます。これはまだ11月24日まで続くわけであります。
それから、先月19日には下呂市で「南飛騨Art Discovery」が開幕いたしました。初日は大雨の中でありましたが、700人の方にご来場いただきまして、様々なパフォーマンスイベントとともに、自然の中でアートを通じて地域の魅力を感じるという、大地の芸術祭と言いますか、そういうプロジェクトであるのですが、既に今日現在で来場者5千人を超えていまして、当初の目的を突破して、ここまで来たら目標1万人ということで、さらにアピールをしていきたいということで、下呂市の皆さん大変意気込んでおられます。
それから、同じ10月19日ですが、国内各地の風流踊り、海外の踊り等々を発信する「海外・国内大交流プログラム」を岐阜市で開催したわけですが、これには約1万5千人の方々が参加されまして、郡上踊やリトアニアのフォークダンスや、様々な踊り、音楽に触れていただいたということでございます。
それで、11月3日時点でございますが、本文化祭の来場者数でありますが、延べで100万人を超えたところでございます。引き続き、文化の大交流を図っていこうということでございます。
今後もまだ魅力あるイベントが目白押しとなっておりまして、例えば先ほどご紹介した「地芝居・伝統芸能フェスティバル」では、今月12日に歌舞伎俳優の中村獅童さんをお招きして、「ぎふ清流座」でトーク、それから歌舞伎舞踊などを開催いたします。それから、17日、日曜日には、岐阜メモリアルセンターの「で愛ドーム」で、県を代表するオーケストラ「岐阜県交響楽団」の演奏に合わせて、本県出身のソリストと公募で集まった千人が合唱する「千人の第九コンサート」も開催する予定であります。
引き続きご注目いただいて、是非ご来場していただければと思っているところです。私の方からは以上でございます。
記者
「『清流の国ぎふ』文化祭」の方も大盛況だというご説明でした。先日の「岐阜県農業フェスティバル」もかなり盛況だったのではないかと思いましたが、来場者数等を教えていただきたいです。
知事
農業フェスティバルは去年過去最高と言っていたのですが、それを上回って21万人に及んでおります。これは県の農業フェスティバルだけではなく、農福連携について全国的な規模でのマルシェを開くとか、あるいは福祉と農業のウィンウィンの試みでありますが、全国フォーラムを開くとか、そういったことも併せてやらせていただきまして、かつ2日間大変天気にも恵まれましたので、そういう意味でも大変良かったのではないかなと思っております。
記者
話を国政の方に転じまして、同じ日なのですが、10月27日にあった総選挙ですが、野党の躍進が結果として目立ったわけですが、古田知事としてのご所感というか、総括をいただきたいです。
知事
今回の総選挙は、ある意味では石破内閣が成立して即座に打って出られたものでありまして、スタートしたばかりの石破内閣にどのように託すのかという国民の判断が問われた、そういう選挙だと思います。テーマとしては、もちろん経済・財政、人口減少、少子化とか、そして社会保障、防災、地方創生、あるいは厳しさを増している国際情勢とかいろいろあるわけですが、そういったことの争点よりは、やはり政治改革と言いますか、そちらの方に重点がかかって、それが投票結果として表れてきたのではないかなと思います。ただ、全体として投票率が、こういう電撃的な総選挙であり、ある意味では話題も大きかったと思うのですが、投票率が非常に低迷した状態の中で、通常投票率が低迷すると与党有利というように何となく言われているのですが、今回は投票率が低迷する中で与党の過半数割れということが起こったわけで、これも一つの民意の表れだと受け止めております。
いずれにしましても、選挙が終わった後、これからいよいよ首班指名が始まって、本格的な政策論議と言いますか、まずその政策をどういうシステムで、どういう枠組みで形成していくのかと、そのスピード感がどうかというようなことがこれからまさに問われるわけです。私ども地方行政の立場からしますと、政権の枠組み、それからとりわけ政策形成の枠組みと言いますか、そういうものが混乱、停滞ということではなしに、まさに政策論議が活性化する方向で、今回の結果が活かされていくということを期待したい、見守っていきたいと思っております。
記者
先月の20日から24日の間、フランスで全国知事会の海外プロモーションと「飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト」を実施されたと思います。農産物だけでなく県産品でありますとか、岐阜の観光をPRされたと思いますが、今回のトップセールスの成果について教えていただけたらと思います。
知事
3泊5日で今回はパリにだけ行ってまいりましたが、メインは政府と言いますか農林水産省と、それから政府の機関であるジェトロと、それから私ども知事会と、知事会も最終的には14の県が参加したわけでありますが、この三者が一体となってオールジャパンでSIALという世界最大規模の、2年に1回行われておりますが、食品の見本市に挑戦をすると言いますか出展をするということで、私自身が農産物輸出促進の知事会におけるチームリーダーをしているという関係から、知事会の方からどのような形で参加するかということも含めて諸々任せるから組み立ててくれということでありましたので、各県にも声をかけ、ジェトロ、政府とも相談をして、行ってきたということでございます。このSIALというところはド・ゴール空港の近くの見本市会場でして、広さにして後楽園(球場)の6倍か7倍ぐらいありまして、ざっと歩くだけで大変な、今どこをどう歩いてるのかというような広大なところでありまして、参加国が130か国、それから参加団体が7,500という規模でありまして、大体28万人収容というキャパシティの下での大見本市でございました。そういう中で日本チームとして、それぞれ各県ブースを構えて展示をしたことに加えて、サイドイベントということで夕方から2時間ほど時間とスペースを別途いただいて、そこでパフォーマンスをやるということで、そこでも岐阜県は岐阜県の産品を持ち寄ってやらせていただいたのですが、岐阜県コーナーについて言いますと、最終的には5日間で 1,500名のバイヤーの訪問がありまして、そのうち150社と、ですから約1割ということですが、商談がありました。それがどの程度最終的な契約に繋がるかは、まだまだ議論は続いていると思うので正確にまだ把握しておりませんが、そういう意味では、やはり商談に繋がる良い機会ではないかなと思っておりますし、オールジャパンでまとまって様々なそれぞれの県の特産品を持ち寄るということで、バラエティもありましたし、非常にそういう意味では日本チームとしては大変良かったのではないかということで、2年後もまた行こうではないかというような声も出ておりました。
それから折角の機会でありますので、SIAL、見本市だけではなしに、日本大使館にお願いをして、大使の公邸に広いサロンがありますので、そこで6つの県がそれぞれブースを設けて、観光とそれから物産のキャンペーンをやるということで、いろんな旅行関係者とか、大使館として交流のあるパリの方々をお招きをして、夜にレセプションを盛大にやりまして、非常に日本に関心がある方の多い集まりでありましたから、非常に良い熱気がありました。特に私どもは、飛騨牛をほんの少しだけ火にかけただけで、炙ったというか、それを富山のお米の上に乗せて岐阜と富山の合作ということで、飛騨牛のお寿司を出しましたが、これがもう圧倒的な人気で、やはり飛騨牛は生が美味しいということで、これが無くなるまで行列が絶えないという状況でございまして、相変わらずそういう意味での飛騨牛人気というのは根強いものがあるなと思いました。私どもが用意した様々な岐阜県の観光の見所についても動画で出したのですが、三重県さんは忍者ショーをやるんだということで忍者姿の人が何人か出てパフォーマンスをやられましたが、各県それぞれ特色を持ち寄ってやったということであります。
それだけでは少しもったいないので、私どもはパリのミシュランの三つ星のレストランで、そこは場所を移転してもう1回星を取り直すということで今は一つ星になっておりますが、「アストランス」という昔から名の通ったレストランですが、そこにバイヤーさんとか、それから輸入業者とか、それからいくつかの有名なレストランのシェフとか、それから料理関係のジャーナリストとか、それから外交関係者、大使とかそういう関係者の方々を40人近くお招きして、そこで岐阜の食材づくしの試食会をやりました。特に飛騨牛については5種類の調理を「アストランス」のフランス人のシェフが工夫をしてやってくれまして、飛騨牛というのは「こんなふうにも調理ができる」、「こんな味わいもできる」ということで多彩な調理を見せてくれまして、その他にも私どもは鮎を持って行きましたので、鮎の料理とか柿とかいろんなものを出しましたが、来られた方々、レストランの料理人の腕ももちろんあるわけでありますが、岐阜県の食材については改めて認識をしていただいたということで、これも一つの話題づくりになったのではないかなと思っております。今フランスでは2つのレストランが飛騨牛海外推奨店となっておりますが、今回の「アストランス」も第3の飛騨牛海外推奨店にできないかなと思っておりまして、そんなこともちょっと話をしているところであります。
それだけでももったいないので、もう一つは、フランスは結構、いま日本酒が盛んで、ブームになっていまして、フランス人が、フランスのソムリエとかフランスのシェフが、日本から大量に日本酒を集めてきて品評会をやっていまして、大体1,100から1,200種類ぐらいの銘柄を日本から集めて、毎年「Kura Master」、“Kura”は日本の“蔵”でマスターという名前のコンペをやっています。昨年の「Kura Master」で1,100、1,200の銘柄の中の最高賞を取ったのは、岐阜県の「玉柏」、八百津ですね、これは本当にマーケットからあっという間に姿を消しまして、それを今回私どもは持って行きまして、今のレストランでもご紹介しましたし、それから同じことをロンドンでもやってまして、ロンドンは「インターナショナル・ワイン・チャレンジ」という名前で、今度はイギリス人がやっているのですが、今年の日本酒(純米酒)部門は、最高賞(トロフィー)を岐阜県の「恵那山」、中津川のはざま酒造さんが取りまして、これもお土産に持って行きました。パリに名の知れたお酒の関係者と言いますか、専門家を養成する学校があるのですが、その学校で日本酒講座をやるということで、岐阜県から6つの酒蔵が行きまして、いろいろとそれぞれのお酒の紹介をして、質疑をして、この味はどういうものであるかとか、どういう料理に合うかとか、いろんなことを大変盛んに議論をしておりまして、フランス人が真剣に日本酒の議論をするというのは、横で見ていて非常に興味深いものがありました。特に「玉柏」はフランス料理に合うということで、その日のお昼は「玉柏」をベースにフランス料理を食べたというようなことで、岐阜の日本酒の宣伝も大いにやってきましたが、岐阜の酒蔵の方々も、かつては海外というのはあまりやっておられませんでしたが、このところもそういうことで国際的な評価がどんどん高くなっておりますので、積極的に出かけようということで、今回6つの酒蔵の方がご一緒していただきましたが、これはまだ伸びていくマーケットですから大いにやったら良いのではないかと。そういう手応えを感じたということで、少し長くなりましたが、岐阜県なりの「飛騨・美濃じまん海外戦略」ということで、観光・食・モノのキャンペーンをやらせていただいたということでございました。JAの皆さん、(JAの)中央会の皆さん、大変お世話になりましたということでございます。
記者
先月2日の県議会の一般質問で、県民クラブの伊藤正博議員から、次期知事選への不出馬への思いを古田知事自身の言葉で話してほしいという趣旨の質問があったかと思います。それで知事の答弁の中では、5期の振り返りとそれに対する感謝ということを述べられた一方で、伊藤議員が聞きたかった不出馬に至る思いというのは、明確には答えられなかったと思うのですが、そうした答弁をされた理由について教えていただけたらと思います。
知事
自民クラブからも同様の質問が出まして、自民クラブの方はどちらかというと特に力を入れた、どういうベクトルでやってきたかという振り返りを申し上げて、県民クラブの方に対しては1期から5期まで時系列的に振り返っていったので、いずれもどんなことをどんな方向を向いてやってきたか、あるいは時系列的にどんなふうに来たかということで、私自身としてはこの場でも8月8日に申し上げましたように、始めがあれば終わりがあるということで、20年という期間を一つの区切りにするということで、どういう意味で区切りかと、1期から5期までの流れの中で、起承転結ではありませんが、特に5期目はコロナをどう乗り越えていくかと、そしてアフター・コロナにどう繋ぐかということに最大のエネルギーを注いだわけですし、そのアフター・コロナの一つの集大成として国民文化祭を今やっているということですから、そういう区切りを迎えたという思いをストーリー的に申し上げたというつもりでおりますので、私としては節目に来たというか、そういう思いでおります。
記者
衆院選で野党が躍進したのですが、岐阜4区の自民党の前職にわいせつ事案が起きたということで、それについての知事の受け止めと、金子さんは三代続く政治家ですが、後援会組織が今日解散を発表されていると伺っていますが、その後援会が解散したことについての所感がありましたらお願いします。
知事
選挙の結果は、まさに4区の県民の皆さんのご判断だと思いますし、それをご本人、支援者の方々、後援会がどう評価して、今後どうしていくかは、それぞれの方のご判断なので、私自身がそれについて云々するのは適当ではないのではないかなと思っております。
記者
県の方で米澤穂信さんのイベント等をよく実施されていると思いますが、今回、高山市において県が主催して「氷菓」のスタンプラリー企画を実施されていると思いますが、これを県が主催して観光振興に繋げていくことの意義などについてお聞かせください。
知事
私どもは観光に繋がる地域資源を一生懸命掘り起こして、岐阜にはこんなに良いものがあるんだと、かつその岐阜にある良いものはきちんと磨いてきちんと発信すれば、国内はもちろん海外において十分通用するんだということを、いろんなテーマに応じてやっているわけで、特に、岐阜県単体でやることもあれば、地元の市町村と一緒にやることもあれば、複数の市町村と一緒にやるなど、さまざまテーマや状況によってあるわけです。
このアニメのスタンプラリーは県と高山市が連携してやっていまして、もともと高山本線全線開通90周年の節目の年に、誘客促進ということで、高山駅をスタート地点にして、市内を周遊するスタンプラリーを開催するという趣旨です。この「氷菓」は、もうかれこれ(アニメ)放映から10年以上経っているわけですが、依然として人気ですし、それから米澤穂信さんは直木賞もお取りになり、それから岐阜で今回の国民文化祭の一環で、「清流の国ぎふショートショート文芸賞」もやっていただいたりということで、岐阜県出身の作家として、いろんな意味でふるさとに対する思いもあるので、いろんな角度から相談して、スタートしたところです。
海外に行きますと、今回のフランスもそうですが、雑談していると、私の読んだことのないマンガについて、向こうから聞かれるのですが、聞かれても分からないので、「はあ」と受け答えをしているのですが、そのぐらいアニメに対する海外での評価、それは子どもだけではなく、かなり年配の方もそうですが、ずっと日本のアニメを見て育ってきて、非常に多くの人がアニメに親しんでいるということで、このスタンプラリーは当面、国内を念頭に置いておりますが、岐阜県では他にも「君の名は。」もありますし、それから岐阜市、大垣市にもいろいろありますので、アニメツアー的なことを考えてみても良いし、非常にこれは反響が強いです。
今でも覚えてますが、30年ぐらい前に、フランスの地位のある外交官の家に招かれていろいろと話をしていたら、大真面目にポケモンの話をするので、「何が良いんですか。」と聞いたら、「日本のアニメは素晴らしい、悪人と善人をきれいに分けない。善人も時々イタズラをしたり、道を誤ることもある。悪人のような役割の人も、結構いろいろと考えて、良いこともしている。」と。善悪をきれいに塗り分けて、分かりやすく表すというのがフランスのアニメの特徴なのですが、日本のアニメはそうではなく、もっと実人生というか、子どもたちも含めて人生を感じさせるというか、深みがあるということを大真面目に一生懸命語る。なるほど、そのように(日本のアニメを)見ているのかということで、非常に人気があるので、これからもアニメツアーは工夫できるのではないかと思います。