ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ
トップページ > 知事記者会見 > 令和5年度 > 知事記者会見録(令和6年8月28日)

本文

知事記者会見録(令和6年8月28日)

※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。

令和6年8月28日(水曜日)15時00分

​​​司会
 ただいまから知事定例記者会見を始めさせていただきます。
 知事お願いいたします。

知事
 お手元に3つ資料をお配りしておりますが、いずれも国民文化祭の様々な事業の一環でもありますが、特に比較的準備が進んでいる大型のプロジェクトということで、ご紹介したいと思っております。

 まず、いわゆる空宙博(そらはく)について、岐阜かかみがはら航空宇宙博物館になりますが、企画棟がまもなく完成いたします。お配りした資料の1番最後のページに、完成図になりますが、今ある建物の東側の空きスペースのところに、少しはみ出た格好ですが、渡り廊下を通っていくような形で箱がくっつくわけでありますが、これまで様々な企画を航空宇宙博物館でやってきたのですが、いろんな機器類とか航空機とかを入れていくについて、だんだん手狭になってきまして、企画展そのものも非常に限られた場所でやらざるを得ないということでありますので、思い切って常時そのタイミングに応じた、積極的な大型の企画を次々と出していこうと、そのための場としての企画棟を計画したわけでございます。あと、展示場そのものは400平米の広さでありますが、国民文化祭の開幕に合わせて、そのこけら落としということで「月への挑戦-アポロ計画から50年、人類は再び月を目指す-」というテーマで、月に向かっての様々な最近の内外の動きをご紹介をするということで、10月12日から来年3月9日まで開催をする予定でございます。人類が初めて月面に降り立ったのは1969年でありますので、既に約50年、厳密には55年経っているわけでありますが、再び多くの国、企業が月を目指しているという状況でございまして、月の開発を身近なものとして感じていただけるような企画を考えているということです。内容的には、アポロ15号が持ち帰った月の石をはじめとして、様々なチャレンジの歴史を紹介するということでありますし、それから現在日本も参加しておりまして、国際協力による月での持続的な活動ということで「アルテミス計画」というものがございますが、それに日本が参加しようということで、その紹介でありますとか、あるいはこの月面を飛ぶミニシアターでの映像、あるいは未来の月面開発を体験する大型スクリーン映像といったものもご覧いただけるかなと思っております。それから、日本の民間企業が「HAKUTO-Rミッション2」という、今年の冬に打ち上げ予定の月着陸船でありますが、その実物大の模型でありますとか、それからJAXAが世界で5番目に月面着陸を成功させた「SLIM」という小型の月面着陸実証機の2分の1サイズの模型をご覧いただくということで、企画展の初日には、常田館長にご出席いただきまして、オープニングセレモニーをと思っております。様々な講演会や体験教室などが予定されておりますので、是非お越しいただければと思っております。この新企画棟を通じて、更にこの航空宇宙博物館の魅力を増していきたいと思っております。

 それから、「ぎふ森フェス」の開催でございます。これはもう少し早いのですが、9月28日から11月30日にかけて、県内各地の森林空間を活用した体験プログラムで、まとめてご紹介をし、県内外の方に楽しんでいただくことで、「ぎふ森フェス」を開催いたします。県内各地から36の事業者の参加を得まして、41の体験プログラムが行われるということでございます。森林アスレチックとか、あるいはEバイクサイクリングツアーでありますとか、森林浴ツアーでありますとか、様々なプログラムがございますが、岐阜県の豊かな森で過ごす時間を是非お楽しみいただきたいということでございます。これは事前予約のもとでやらせていただきますので、明日から申込み開始ということでございます。また、オープニングセレモニーは9月28日なのですが、揖斐川町の揖斐高原キャンピングフィールドAFUREPPA(アフレッパ)という会場でセレモニーを行う予定でございます。岐阜県ならではの森林へのアプローチとして、森林サービス産業の振興ということでやっていますが、森林の魅力を盛り上げて、森林の新しい価値を見出していくための活動、それが山村地域の収入とか雇用にも繋がるということで、森林サービス産業というものを盛り上げていきたいということでございます。タイミング的にも国民文化祭の関連イベントということで、全国からお越しの方々にこの体験プログラムに参加していただくつもりでキャンペーンをやっていきたいと思っております。

 それから3番目が、「『匠の国ぎふ』の技を支える道具展」の開催でございます。岐阜は匠の国と言われますが、それを支える道具があってこその匠の国でありまして、そのところを様々な道具、それからその道具がどんなものを生み出しているかということについて、注目していただくための道具展を、10月14日から11月24日まで、これは国民文化祭のスケジュールと全く同じでございますが、高山の飛騨・世界生活文化センターで開催させていただきます。木工、刃物、和紙、陶磁器、こういった分野がまさに本県の地場産業でございますが、それらについての様々な道具を、そしてそこから生み出される製品について約530点を展示する予定でございます。例えば木工でありますと、式年遷宮の御用材の伐採に使われた斧でありますとか、和紙のエリアでありますと手漉き和紙の生産現場で使っておられる漉き舟でありますとか、あるいは刃物ですと日本刀の製作に使われている様々な道具でありますとか、またそれを受け継いで作られている包丁やハサミの刃物製品、それから陶磁器では、人間国宝の荒川豊蔵さん、加藤孝造さんが実際に使われた道具でありますとか、そういったものを展示させていただきます。それから、世界の大工道具の展示も考えておりますし、能登半島地震の復興支援という観点から、輪島塗で使われる道具を展示するということでございます。職人の技を支える道具の重要性について、多くの方に知っていただこうという趣旨でございます。これらいずれも国民文化祭の関連行事ということでございます。どうぞよろしくお願いします。

 それからもう1つ、資料はお配りしていませんが、台風10号の件です。本日13時に鹿児島県に暴風・波浪特別警報が出ておりまして、大変速度が遅く、予報円も大きいわけでありますが、本県での影響が8月31日から9月1日とみられておりますが、各市町村、関係方面にも適切な情報の発信、それから早めの避難の呼びかけについて、注意深くかつ迅速にやっていきたいと思っています。その関係で、定例と言いますか、通常、9月1日に総合防災訓練をやっておりまして、今年は特に内陸直下型地震に対応して、市町村と一緒にリアルな防災訓練をやってみようということで準備しておりますが、この状況のもとでございますので、9月1日の実施は見送らせていただくということでございます。なお、国の方でも、国としての総合防災訓練も9月1日に予定しておりますが、これを中止するという発表が先ほど入っております。それと足並みが揃った方が良いだろうということでございます。私からは以上でございます。

記者
 
知事選の情勢についてお伺いさせていただきます。知事が前回の定例会見で不出馬を表明されて、現在お二人の方が出馬の意欲を示されています。現在の情勢について、知事の受け止めをお聞かせください。

知事
 
私自身が直接、知事選そのものに関わっているわけではありませんので、皆さん方の報道等であるいは人づてに話を聞いているだけでありますので、具体的な動きは詳らかには承知しておりません。ただ、意欲のある方もおられますし、それらの方々について、政党なり、それぞれの組織なりでどのように対応していくかということで、実際に市町村の方も含めて、ちょうど今動き出したところということでありますので、注意深く動きをフォローしながら、私自身は直接選挙に関わるつもりではございませんので、関心を持ちながらも、本務の方を最後までしっかり務めたいという感じです。

記者
 
知事自身が動かれる、今回直接関わることはないということでしたが、前回の会見でもおっしゃっていましたが、改めて後継指名はされないということでよろしいでしょうか。

知事
 
関わることがないということは当然後継指名も行わないということです。前職の立場で次はどなたが良いとか云々というよりは、どなたが良いかは、県民の皆さんがこれから投票までは半年ありますが、そのプロセスの中で検討していただいて決めていただくという、そういう流れにお任せするのが筋ではないかと思っております。

記者
 
首長の大多数が渡辺猛之参議員議員に出馬要請をされましたが、このことについて知事のご見解というか、受け止めをお聞かせください。

知事
 
それは、それぞれ首長さんのご判断の結果だと思いますので、具体的に特定の首長さんからどうしたこうしたという話を聞いているわけでありませんので、メディアのニュースしか知りませんので分からないですが、それぞれの首長さんのご判断で、これからそういう意味でいろんな動きがあるのではないかと思いますが、それぞれのご判断でやっていかれる話でありまして、私は静かにフォローさせていただくということです。

記者
 
自民党総裁選についてお伺いさせていただきます。自民党総裁選でかなりの候補者の乱立状態ということになっておりまして、お隣の愛知県知事だと候補者がすごくたくさん乱立しているなというようなご見解がありましたが、現在の自民党総裁選について知事のご見解、受け止めをお聞かせください。

知事
 
どなたも、政治とカネの問題も含めて、政治改革を強くおっしゃっておりますし、それから派閥についても変えていこうという意見も大変強いようですし、そういう意味での従来の枠組みというか、重しが着実に変わってきている中での今言われた状況ですが、既に出馬表明された方も何人かおられるわけですが、今後20人の推薦者を集めるというのは大変なことだと思います。それぞれの議員方が自分の信念、お考えで決めていかれるわけで、大変な作業でもありますし、どういうところにどのように落ち着いていくのか、これは国全体の国政にも大きく関わる話になりますので、フォローしていきたいと思います。いずれにしろ、大きな流れが変わろうとしている時期の移行期というか、過渡期というのはちょっと表現が的確じゃないかもしれませんが、移行期というか、変わろうとしているそういう時期の一つの現象ということで、そういう中で、内外共にいろんな課題があるわけですから、政策論議を大いに切磋琢磨して論じていただいて、そういう中で選ばれていくことが大事ではないかと。そういう観点で、どのように移行していくのか注目していきたいと思っております。

記者
 
市町村長からの出馬要請について、推薦証とは違う形で、市町村長が出馬要請という形で、誰に出したということではなくて、そういった形で出馬を要請するということがやや道義的にどうなんだという意見もありますが、個別の話ではなく、しっかりと出馬表明した方ではなく、迷っている方に市町村長の方が出馬要請するということについて、知事はどう感じられたでしょうか。

知事
 
私は市町村長の立場ではありませんし、先ほど申し上げましたが、私自身は後継者指名をするということも考えておりませんので、コメントのしようがないのですが、よくある形は出馬を決めておられない方に対しては出馬要請で、出馬を100%決めておられる方に対しては推薦を出す出さないと、出馬が確定したところで推薦をするしないということです。出馬要請というのは、まだ(出馬が)固まっていないから手を挙げてくれと、そういった要請になるということかなと思って見ているだけで、それぞれがどのようにお考えになってどう動いておられるか、ちょっと私には判断しようがないです。

記者
 
知事選の件ですが、知事としては関わるつもりはないということですが、現状、前回も選挙に出られた江崎さんが表明されて、参議院議員の渡辺猛之さんが意欲を示しているという状態ですが、知事はお二人ともよくご存知かなと思うのですが、知事から見て、江崎さんと渡辺さんついて、それぞれどのような印象をお持ちでしょうか。

知事
 
それにお答えすることが、先ほど来から申し上げていることに必ずしもそぐわないので、それは皆さん方で一つご判断をいただいたら良いのではないかと思います。

記者
 
少し前になりますが、8月8日に起きた地震に関連して南海トラフ地震臨時情報が出されたかと思います。それについて、少し大げさだったのではないかなど、いろんな意見、賛否両論があるかと思うのですが、知事の受け止めをお聞かせください。

知事
 
日向灘を震源とする大型の地震でありましたし、九州の南の方では(震度)6弱が直ちに測定されましたし、南海トラフの一環、あるいはそういうことにつながり得るということを気象台も懸念をし、関係者の方も動かれたわけでありますので、我々もそれに合わせて、一定の警戒体制を取ったわけでありますので、特に違和感はありません。

記者
 
先月下旬のウズベキスタンとドイツとの海外連携事業に関することで、2点お伺いいたします。まず1点目ですが、ウズベキスタンの方では大臣やサマルカンド州政府の方がかなり交流に強い意欲を示されていまして、ドイツの方では同行された下呂市長、美濃加茂市長が今回学んだことを今後の観光政策に活かすということにすごく強いお考えを示されています。今回の訪問成果というものをどのように感じているかお聞かせください。

知事
 
まずウズベキスタンは、日本の都道府県知事としては史上初めての訪問ということで、非常に先方からは大歓迎と言いますか、大変快く迎えていただいたわけでありますが、かねてから是非ウズベキスタンとの交流をということで、いろんなルートで強い要請があったので、岐阜大学もサマルカンド国立医科大学の医学生と、それから教授の交流ということの議論をちょうど始めようかという時期だったので、この機会を捉えて岐阜大学の学長と一緒に行ったわけであります。行ってみて感じたことは、ウズベキスタンという国自身が非常に大きく今成長の道を辿ろうとしているということと、それから日本に対しては強い期待と親しみの感情を持っておられると、特に、シベリア抑留された方々があの地で芸術劇場を建てられて、1966年のタシケントの大地震の中でその建物が生き残ったということで、日本兵の方々に対する感謝の気持ちを非常に強くおっしゃっておられますし、それから毎年、ウズベキスタンは赤ちゃんが100万人ずつ産まれていて、10年で1,000万人、20年で2,000万人というペースで、もちろんお亡くなりになる方もおりますが、増えていくということで、ソ連邦から独立した当時が人口1,600万人、今は3,600万人で更にまだ増えているということでの拡大基調の中でどう教育をしていくかと、教育、それからイノベーション、投資、そういったことにものすごく積極的で、それを日本に強く求めるということで、いろんな取っ掛かりを求めておられるということで、そういう意味では今回の私どもの訪問でも、教育とかイノベーション、あるいはスマート農業、いろんな面で岐阜県から学びたいということを強く言われましたし、それからちょうど私どもの2週間後に岸田総理がお出でになる予定がありましたので、それにも繋がるということで大変期待も高かったという、そんな感じでありました。私どもとしては、逆にウズベキスタンという中央アジアの要のエリアに、今日本がようやくそこに積極的に取り組んでいこうというか、コラボしていこうという流れができている中で、岐阜県としてやれることをやったら良いのではないかと。それから、元々絹の道の中間点ですから、重要な中継点ですから、やはり東西文化の十字路ということをよく言われますが、そういう意味でも文化交流、観光交流ということで、いろんな可能性があるのではないかということで、実は国民文化祭にも是非来たいという話がありまして、それではということで、まだ今検討中ですが、「ウズベキスタンDAY」みたいな、あるいは「サマルカンドDAY」みたいなものを設けて、そこで展示やらシンポジウムやら投資セミナー、文化セミナーといったような観光セミナー、そんなことを企画してはどうかということで、今調整中であります。それから、これは半ば冗談ということもないのですが、ちょっと比喩が過ぎたかもしれませんが、岐阜を紹介する時に、岐阜とウズベキスタンの共通点ということで紹介する時に、まさに東西文化の交流の接点であると、まん真ん中にあるということで、交流もあるが一方で戦いもあるということで、関ケ原も含めて、「『美濃を制する者は天下を制する』なんて言われておりますよ。」と、これを今度ウズベキスタンに置き換えると「『ウズベキスタンを制する者はユーラシア大陸を制する』ということになりますかね。」ということで、軽口を叩いていたのですが、そうしましたら「そうだ。」と、「我々はティムールの子孫だ。」ということを皆さん口々におっしゃって、ティムール帝国の版図というのを改めて見てみましたが、ヨーロッパの東側、ロシアの南半分、それから中東は全部、インドの北の方半分、それからエジプトにも手が伸びているという、中国に手を伸ばすところでティムールはなくなったわけでありますが、そういう意味ではまさにユーラシア大陸の真ん中を一代にして抑えた大帝国でありますし、そうしましたら今度は別の人が、「いやいや、我々はあのアレキサンダー大王の子孫だ。」と言うわけです。「どういうことですか。」と聞きましたら、アレキサンダー大王の奥さんはウズベキスタン人だそうです。アレキサンダー大王は地中海も掠めていったと、北アフリカも、地中海の北側にも出て行ったと、更に広いのだというようなことで、今、あそこは全方位外交ということで東西南北いろんな方面といろんな交流をやろうとしています。そういう軽口というか冗談の面でも盛り上がりまして、そういう意味では、これからどういうふうに交流していけるか楽しみであります。とにかく日本人に対する敬意と言いますか、例えば“シベリアに抑留された日本人兵士”という言葉を彼らは使わず、“元日本軍兵士”と言います。そのため、パネルとか墓地などでも“元日本軍兵士の”という表現を使って、“抑留”とか“捕虜”とかそういう言葉は一切使いませんということをおっしゃっておりましたが、これも1つのリスペクトの表れだとかいろいろと感じることがありました。それから道路は大変広いです。メイン通りは片側6車線です。それから街は綺麗でゴミ一つ落ちていないです。地下鉄も乗りましたが、地下鉄も全くゴミがないです。(地下鉄に)乗りますと、私どもは背広を着て入ってきますから旅行者だということは分かるわけですが、皆さん席を立って「どうぞ。」とやってくれます。そういう意味でも好感が持てるというか礼儀正しいというか、いろんな点で発見がたくさんありました。
 それからドイツの方はフランクフルトを中心に動いたわけですが、木曽川中流域の一体としての広域観光をどうするかという中で、要になるのが日本ラインの復活ということを真剣に考えるべきだということで、そこはいろんな不幸なことがあって今は途絶えておりますが、旧日本ラインを何らかの形で繋がる形で木曽川を繋いでいくことによって、あのエリア全体、中山道もありますし、あのエリア全体としての広域的な発展というものを、あるいは広域観光というものを十分展開できるリソースがあるのではないかと、そういう意味で大変参考になるのが本家本元のライン川観光でありまして、ライン川流域でどんなことをやっているのかというようなことで、やはり地域間協力の重要性を非常に強くおっしゃっておられましたし、それから地域としての博覧会というか、そういったことをやる中でこのライン川観光をアピールしていくとか、それからよく岐阜でも時々議論になることがありますが、金華山からロープウェイを長良川の反対側に直接繋いではどうかと、そこを行き来するというようなアイディアが、かつて私が子どもの頃よくありましたが、その後、立ち消えになっていますが、ライン川は今それをやっていまして、あそこはユネスコの世界遺産になっていますので、「世界遺産でロープウェイとかを通すと何か言われませんか。」と聞いたら、「ユネスコからは言われております。」と、だけど実際に多くの人が来てそれを楽しめるので、自分たちとしてはこれを積極的にやりたいということで、ロープウェイもゆっくりなんですが、次から次へとワゴンがこうやってくる、遊園地のあれみたいな感じでお客さんはどんどん乗り込んでいくのですが、そういう意味で非常に賑わっておりました。もう1つは下呂の皆さんを中心に、温泉1本での観光ではなしに、保養、観光、芸術、文化、スポーツ、いろんな要素を取り混ぜたトータルとしてのクアオルトと言いますか、保養地というのはもう昔からあって、どちらかというと権力者というか、王国貴族の方々が最初は利用していて、それ用に作ったのでしょうが、それぞれの町に行きますと、医療施設があり、保養施設があり、それからスポーツ、それから美術館、シアター、それからカジノ、それから森林浴、その他いろんな施設が整っておりまして、大体5週間以上滞在して、それぞれの健康管理のためのメニューを用意してもらって過ごしていくということですが、かつてはいわゆる上流階級の人たちの利用であったものから、だんだん広がってきているという話をしていました。2か所には「金の本」という黄金のごつい本があって、そこを開いて重要な来訪者にはサインしてもらいますがということで、サインしてくださいということでセレモニーをやるわけですが、市長さんが服を着替えてきてやるのですが、サインしようかと思ってその本をちょっと捲ってみると、アドルフ・ヒトラーとか、ビスマルクとか、そういういろんな名前が、歴史で習ったような人の名前が出ていまして、ああいう人たちがこういう所に来ているのかということで、特に下呂の皆さんは温泉+αのところのαが如何に多様なことをやっているのかということを学んだということで、総合的な保養地化を岐阜県も進めようではないかと、学ぼうではないかと、そんな思いで皆さんお帰りになったと思いますが、そういう意味で非常に有意義だったのではないかなと、その行ったところ2か所は確か保養地としてのユネスコの世界遺産になっているはずですが、そんなことでございました。

記者
 
2点目に海外連携事業の全体的なお話をしたいのですが、2009年から「飛騨・美濃じまん海外戦略プロジェクト」としてずっとやってきて、古田県政20年を代表する事業の1つだったと思います。今後も県職員、観光国際部を中心にずっとやっていくと思いますが、次期知事や職員の方に対して託したい想いみたいなものがあれば教えていただきたいです。

知事
 
まだこれからやることは多々ありますので、当面で言いますと、前にお話ししたと思いますが、9月の第2週に韓国の外務省の要人招聘ということで行きますが、向こうでは、あそこは行政庁を中心に首都機能移転をやっていて、大統領府の青瓦台が今はただの観光地になっていて、ごっそり行政庁を移し替えて、どういうプロセスでどうやってそういうことをやってきて、今どうなっているのかと。非常に日本でも地方分権とか首都機能移転とか散々言われておりますが、文化庁が京都に行ったことは1つの結果ですが、ごっそり持っていっているわけなので、そういった試みについて少し勉強したいなと思っています。それから岐阜県は国際陶磁器フェスティバルで韓国の利川(イチョン)と親しくしていますので、利川(イチョン)との交流を深めていきたいと思うのと、それから今申し込んでいるのでまだどうなるか分かりませんが、アフリカ豚熱が釜山まで迫ってきていますので、彼らがアフリカ豚熱対策でどのようなことを、そこで今止まっているわけなので、日本海はまだ超えてきていないですが、やはりどういう対策をやっているか、学ぶところは多いのではないかと思って、そういったことを中心に、あとは向こう側のお勧めのところもあるでしょうから、組み立てて、陶磁器は元々やっておりますが、実は韓国は知事になって初めての渡航となります。それから10月下旬になりますが、18の道府県が一緒になって、パリで世界最大級の2年に1回やっております「SIAL」という農水産物の見本市がありますが、そこに日本の18の道府県が、全国知事会、それからジェトロ、それに日本国政府も参加したいということで農水省と、この三者が一体となって売り込みをやるということで、それのいわばまとめ役をと言われていますので、パリに行きますが、その際にそういう知事会としてのアクションもありますし、岐阜県独自の食材のキャンペーンも併せてやっていこうと思います。そういう意味での岐阜県の魅力を、スタートはやはり食材、特に飛騨牛を中心にやってきましたし、それから地歌舞伎の紹介というのはものすごくインパクトが強かったものですから、そういう意味での岐阜県の魅力ある文化を発信していくというようなことで始めましたし、それから県産品を販売してくれる店を世界のあちこちに作っていきましたが、そういう岐阜県の魅力を有形無形いろんな形で売り込んでいくということの流れがある程度できてきたと思います。それをどのように維持・拡大していくかというのは1つのアプローチですが、ここにきてどちらかというと文化交流の方もいざいろいろとやり取りをしてみると、お互いに関心の高いものがたくさんあるということで、国民文化祭もいわばそういう国際文化交流のきっかけにしたいと思っておりますので、ありとあらゆる機会を通じてそういう交流のチャンス、糸口を求めながらネットワークを広げていくという努力を持続的にやっていくと言いますか、信頼のネットワークを作っていくというか、そういうことを今までコツコツと少しずつやってきましたが、そういう努力は必要だと思います。魅力発信と言いますか、観光も含めたキャンペーンというのは、まず自分を自慢しなければいけないので、自分を自慢するためには自分が持っているもの、自分の地域の魅力、それを本気になって、これはどういうものであるかと、そして誇るべきものであると、そしてそれをテコにいろんな交流ができるのだという、よくシビックプライドという言葉を使う人もいますが、そういう自らの誇りと言いますか、そういうものをきちんと押さえていないと、ただキャンペーンをやっても伝わらないので、やはりこちらの持っているものに対する信念と思いをしっかりと正面から投げ掛けるということで初めて交流が成り立つので、そういう意味でも交流するというのは何も相手に売り込むというよりも、まず自分自身が今ここにあるものをどうやったらもっと磨けるかとか、どのようにアピールしたら輝くかとか、いろんなことを工夫していくという、まず自らがどうするかということを磨いていく、鍛えていくという、そういうところから始まると思います。それが海外であっても良いし、国内であっても良いですが、そういう姿勢をまず押さえる上では、やはりキャンペーンをやってみると、あやふやな気持ちでは人前に立てないということを、職員のみならず農業とか漁業とかいろんな方々が、例えば岐阜の鮎が本当にこれは凄いんだよと、岐阜の富有柿はこんなに凄いんだよと、本当に確信持たなければとてもじゃないけどアピールできませんので、その辺のところがどんどん今グレードアップしてきたのではないかなという、そんな気がしておりますので、そこのところは是非大事にしていくと良いのではないかと思います。

記者
 
リニアに関連して、昨日、JR東海が明らかにした大湫地内における地盤沈下の件でお尋ねします。まだ原因究明されていないのですが、JR東海側は工事の影響の可能性は否定していない状況というのは把握されていると思います。JR東海が以前出した環境影響評価書の中で、地盤沈下について、その適切な施工管理を実施して影響はないと予測しているとの評価がされている一方で、今回の事態を見ると、予測が甘いところがあるのではないかと評価できると思います。今回、予測と違う状況が起きていることについての所感をお聞かせください。

知事
 
リニアの件については、今、大きく4つの問題があると思っています。1つは今おっしゃった地盤沈下の問題。これまで専門家会議で、いろんな指摘があって、工事と湧水の因果関係をしっかり押さえる必要があるため、もっと広く調査をする必要があるので、調査をしていく中で出てきた一つのテーマです。そういう意味では、最初からやればよかったという議論はありうるとは思いますが、昨日の議論ではまだ地盤沈下と工事との因果関係があると言うには早いため、まだまだいろんなデータや過去に遡って調べるとか、少々の地盤の動きは世の中にあるので、よく調べろという指示が出ているわけですから、さらにきっちりと調べてもらうという、この地盤沈下をどう見届けるかという議論があります。
 それから、そもそも日々、湧水が起こっているので、湧水量がなかなか止まらない、減っていかない。それから地下水の水位が着実に下がってきている。この因果関係の問題もありますが、いずれにせよ、湧水対策あるいは止水対策について、今やろうとしている対策が、鹿児島の例もあり、一旦踏み留まって慎重に考え直した方が良いのではないかということで、代替案も含めてこれまでの有り様、今後の有り様をもう一回根本的に議論しなければいけないということで、まだ今、具体的にこうすればいいという案が目の前にあるわけではありませんので、これも練らなければいけないと。
 それから、応急対策として、深い井戸を掘ろうという話がありましたが、これもただ掘れば良いということではなく、いろんな影響を考えなければならないということで、いろいろと掘る前に様々な事前調査をやってもらい、掘っても良いのであろうというところまでは、昨日(意見を)出したわけですが、ただ掘るにあたってはしっかりとした設計と、それから掘る過程で水質の問題や周辺の水への影響などのモニターをしっかりやるということや、それから一気に深掘りしないで、まず70mぐらいのところまで掘るということでやっていけということで、いくつかの条件を付けて、井戸を新たに掘って水対策をやろうとしています。今は住民の方々の水は上水を使ったり、共同水源に給水車で水を提供するなどして混乱は生じていないのですが、対策として新たな井戸を掘るという選択肢がどの程度有効か、間違いなくできるかどうかはこれからやっていこうとしています。
 それから、大針工区の肌落ち事故について、これもかつて中津川市の山口工区であったことですが、何が足りなかったのか、どうだったのかということで、今、ようやく地盤沈下の問題はどうも無さそうだと分かってきているのですが、そもそも安全対策はどうだったのかというのはまだこれからだということです。それやこれやで、いろんな課題がありますので、一つ一つ丁寧に、徹底的にこの際やっていくということで、私も「急がば回れ」と言っておりますが、これだけたくさんのことがあると本当に一つ一つ慎重にやっていかないと、こういう問題が相乗作用を起こしては大変なので、そういう意味でJR東海の皆さんにも丁寧な対応を求めていこうと思いますし、先生方もかなり厳しく見ていただいておりますので、このやり方で一歩一歩確かめながらやっていく、前に進んでいく、こんなことかなと思っています。プロセスでここがああだったとか、こうだったと言うこともさることながら、これだけ課題がたくさんあるので、全部をこなしながら前に進んでいくということと思いますので、そこをしっかり見届けることが大事かと思います。

記者
 
リニアの件で、北薩トンネルの話がありましたが、工事のやり方自体を再検討する考えをJR東海が示しています。開業時期全体に対しての影響も懸念されますが、JR東海が県にどういった報告をしているのか、その際に県はJR東海に対して何か要望や考えを伝えていたのであれば教えてください。

知事
 
今はどういう段階かと言うと、アクシデントが起こりましたと、このアクシデントについていくつかの課題がありますと、その課題をまずはJR東海が分析をし、究明をし、調べ、例えば、影響範囲がどの程度か、そもそも原因が何であったか、応急対策をどうするか、湧水対策、水位の低下対策、被害の拡大をどうするかとか、モニタリング体制をどうやっていくのか、今まで十分だったかなどの様々な論点を投げかけて、一つ一つについて詰めているわけです。詰めていくプロセスで、ある程度のデータや考えが出てきたところで、節目節目で、かなりの頻度でやっていますが、専門家会議をやり、JR東海としてこのように判断をする、こうしたい、ああしたいということを、今度は地盤等の専門家の先生方がそれで果たして十分かどうかについて徹底的に議論する。その辺のやり取りの中で、いろんなデータや手法や考え方についての報告は随時、県の方にありますので、それを伺いながら、我々としてはそういう節目で専門家会議をやって、JR東海がある程度用意できたものに対する評価をしていくというのをやってきたのが現状です。最終的には今回の出来事をJR東海として、課題ごとにまとめたレポート、報告書が出てくる。その報告書について、正式にその時点で岐阜県が今度は専門家会議とも相談しながら、正式に県としてそれに対する答えを出していくという流れにいずれなっていくのですが、今はまだとにかく想定外のことが起こったと、これについて分からないことがたくさんある、知らないことがたくさんあるという状態で、調べながら議論しながらという段階にあります。必要に応じてJR東海から報告を受けておりますし、私どもも、とにかく一挙手一投足、報告してもらいたいということは言ってますし、そういう流れになっていると思います。その一環ですが、6月に入ってから私から指示したのですが、観測井の水位の状況などのデータは毎日出しています。データを毎日出して、誰の目にも分かるように透明な状態で出してくださいということをやってるわけです。たくさん課題がありますので、一つ一つ慎重に、丁寧に、目を光らせながら、一歩一歩進んでいくというところです。いずれは一つのレポートとして、まとまった形になって、全貌をきちんと整理をして、それについて改めてもう1回評価をして、どこで工事再開のゴーサインを出せるかは、またその時の議論になってくるということです。

記者
 
レポートを出す時期についてJR東海から何か聞かれていますか。

知事
 
いや、まだまだ。先ほど申し上げたように、たくさん課題がありますから。特に先生方からもデータをとにかくいろんな角度から取らないと、即断は間違えるというような議論もたくさん出ておりますし、データをたくさん取るためには時間も要りますし、新たな観測地点の設定や観測手法などいろんなことがありますので、まだまだいつレポートをまとめて、いつ(提出する)というのは申し上げる状況にはないです。

記者
 
台風10号について、隣接する愛知県では土砂崩れがあってけが人も出ています。今、台風は九州の方にあって、線状降水帯の影響でこうした災害がありましたが、改めて県民に呼び掛けたいことや伝えたいことを教えてください。

知事
 
台風自身のスケールももちろんありますが、全体としてゆっくりやって来る中で、東北地方も含めて、まだこの(強風域の)円に入っていないところでも豪雨が起こっています。私どもとしても、台風の円が迫ってくるのを待つということではなく、複合的な要素があるので、日々、注意していかなければならない段階にあると思っています。台風の特徴や台風が来る以前の線状降水帯の状況などのいろんな情報について、できる限り迅速に発表させていただいて、注意喚起したいと思っています。
 今月26日、月曜日に台風説明会を開催しまして、市町村の方々に避難情報の適時適切な発令や住民への早めの避難の呼びかけを依頼するとか、その前提となる情報については、我々も積極的に流していく、あるいは、各地で思いがけないことが起これば、これについての連絡体制をしっかりしようということでやっております。また、その後も思った以上に台風の動きがゆっくりになっていますので、今週金曜日に第2回台風説明会を開催して、改めて情報の共有と呼びかけを進めていきたいと思っております。

<外部リンク>