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※知事及び記者の発言内容については、事実誤認や単純ミスと思われる字句、重複した言葉づかい等を整理の上、発言の趣旨を損なわない程度に整理して作成しています。
司会
それでは、ただ今から知事記者会見を始めさせていただきます。知事、お願いいたします。
知事
先ほど新型コロナウイルス感染症対策本部を行いまして、「「第7波」急拡大防止に向けて」ということでコンセンサスを得ましたので、ご報告させていただきます。
まず、最近の感染状況でありますが、「BA.5系統」のオミクロン株に置き換わりつつあるということで、少し前までは17~18%と申し上げておりましたが、直近ではだいたい4割強が、すでに岐阜県では置き換わっているということでございます。これによる圧倒的な感染スピード、それからワクチン接種、特に3回目の接種後の効果減衰、それから「など」と書いてありますが、密室、換気の不十分なところといったことを背景に、今「第7波の真っただ中」にあるということです。
お手元のグラフをご覧いただきますと、今日実は1,044人ということで、再び千人超えということで、この10万人当たりの7日間移動合計では301.35人ということで300人を超えました。この300人超えというのは、第6波の急上昇していった中で、ピークに達する直前のところまで来たということでございます。この後、どのように展開していくか、まだ4割強の置き換わりということは5割以上は置き換わる要素が残っているわけですから、さらにスピードアップして増えていく可能性は十分あるとは思っております。
ワクチン接種率の低い若年層の感染が多いということ、それから福祉施設、医療機関、保育施設、学校などでのクラスターが多いということ、特に高齢者、基礎疾患のある方々、重症化リスクの高い方々への感染が懸念されるということであります。
このまま行きますと、第6波のピークは1,234人ということでございますので、早ければ数日のうちに、第6波のピークを上回るということも十分想定できるということでございます。
それから、今後の懸念でありますが、夏の人流の増加ということ、それから、オミクロン株について、今日、村上先生から、一般には重症化リスクが低いと言われているが、「BA.5」については、若干重症化しやすいということも言われているということで、デルタ株の特徴を備えたオミクロン株というふうに警戒した方が良いのではないかというご指摘がございました。今後、数がどんどん感染爆発ということで増えていきますと、様々な社会経済活動が機能不全に陥るという心配が生ずるということでございます。
特に医療・介護の分野で人材不足ということで、特に病棟の閉鎖、一般の通常医療の維持もできなくなるということも懸念されるということであります。私どもから今日、あまり比喩としては適切でないかもしれませんが、例えば、ヤクルトスワローズであれだけ感染者が出ると、もちろん重症化していないとしても自宅で療養するということになりますと、チームが成り立たなくなるといったことがいろんな分野でこれから起こり得るのではないかということで、十分警戒をしていただきたいということです。それから、そういう人材が不足することだけでなく、検査キットでありますとか、自宅療養者の食料でありますとか、今、丁寧にケアしておりますが、どんどん増えてくるとなると、おそらく不足するような事態が出てくるということでした。検査キットについては、今日、懸念の声も出されておりました。
今回のポイントは行動制限をどうするかということでいろいろ議論がありました。専門家会議でも議論がありましたが、直ちに行動制限という所まではいっていないだろうという判断で、国の方も大体そういう判断をしておられますが、ただ、それが緩んでよいというシグナルを送っている訳ではないということで、むしろ、社会経済活動と感染症対策の両立をなんとか図りながら、乗り越えていこうという趣旨であります。それぞれお一人おひとりに至るまで、徹底した対策を取っていただこうということでございます。
私どもとしての対策については、3つの柱で考えておりまして、次の2ページ以降にありますように、1つは「感染防止対策の徹底」、ここでは特に「こまめに換気」という所を少し丁寧に書かせていただきました。1時間に2回以上の換気をするということです。それから、健康な若者でもいろいろリスクがあるということで書かせていただきましたが、症状がなくても、後遺症の問題などのリスクがあるということです。それから、高齢や基礎疾患のあるご家族に感染して、重症化するリスクもあり、さらには、職場に持ち込むことによって、その事業体の事業の継続が困難になるというリスクもあるということも考えて、健康な若い方でも十分感染防止対策を徹底していただきたいということでございます。
それから、会食について、あえて同一テーブル4人まで2時間以内ということを一つの目安として書かせていただきました。それから、県主催のイベントにおけるワクチンの接種歴あるいは陰性の検査結果の確認ということで、マスクを外す可能性のある、県主催のイベントあるいは県有施設を活用したイベントにつきましては、「3回ワクチン接種歴」、ないしは「陰性の検査結果」を提示していただくということにしたいと思っております。市町村、民間事業にも同様の対応をお願いしたいということで呼び掛けてまいります。
それから、これも1つ大きな論点の観光でありますが、“ほっと一息、ぎふの旅”キャンペーンは地域ブロック割でやっております。国自身が全国規模のものはまだ無理だということでありますし、私どもも感染状況を見極めながら、とりあえず8月末まで、今のブロック割を延長するということにしておりますが、感染状況を見極めながらということは、状況が悪くなれば、縮小するということもあり得るということでございます。
それから2番目が検査を中心とする、それぞれの施設における対策の強化でございます。これまでもいろいろと施設について、体制を整備したり、いろんな訓練をしたり、チェックリストを作ったりやってきましたが、まだまだ十分行き渡っていないというのが専門家の先生方の意見であります。例えば施設で1人でも感染者が出たら、直ちに、接触者の職員・利用者を幅広く検査して、それから検査の頻度を上げるといったことです。それから、直ちに専門家に支援を依頼して、徹底的な対策を講ずるということを専門家の先生方から強い指摘がございまして、これらについて、さらに徹底していきたいと思っておりますし、関係の医療機関の協力もしっかり仰いでいこうということでございます。
それから、施設職員の予防的検査は8月末まで延長しますし、積極的に頻度を上げて、検査をしていただきたいということで、施設の職員の皆様に徹底しようではないかということでございます。
それから、教育現場ですが、これから夏休みに入りますが、感染防止対策を徹底するということで、児童・生徒あるいは保護者に対するメッセージをしっかりと発信しようということでございます。それによって、お子さんを通じて家族全員に感染防止対策を促していくということです。これは専門家会議で教育分野の先生方から指摘がありましたが、お子さんへの指導がそのまま保護者への指導につながって、家族全体を守っていくという流れを作っていきたいということでございます。
それから、小学校・幼稚園・保育所などの職員についての予防的検査も8月末まで延長するということでございます。
それから、幼稚園・保育所関係者とは、先日、別途会合を設けまして、実態やいろんな声を聞きましたが、しっかり検査をやっておられる所と、そうでない所とがあって、特にうまく検査を実施しておられる所の事例集といいますか、そういったことをみんなに知ってもらったらどうかということもありまして、そういったことをやりながら、検査の頻度をあげていただくようにお願いしようということでございます。
それから、お盆期間における臨時検査拠点ということで、臨時の拠点をJR岐阜駅等に設置いたしますが、これは岸田総理が言っておられる、全国で100か所以上、こういったところを設けるという流れの一環でございます。
それから、3番目の柱が、ワクチン接種の加速化ということで、若年層等への3回目接種を促進します。高齢者の接種は岐阜県は順調にいっておりますし、現時点で見ても全国トップクラスにあるわけですが、中年から若年へと降りてきますと接種率もどんどん下がってまいりまして、この際、「オール岐阜」で、集中的な広報活動も含めて徹底的に取り組もうということでございます。そのために環境整備でありますとか、特に県の大型の接種会場の開設でありますとか、それから、アレルギーなどでmRNAワクチンを打ちにくいと仰る方もおられますから、遺伝子組み換えのたんぱくワクチンでありますノババックスワクチンの接種を、今は岐阜県総合医療センターでやることとなっておりますが、先ほど申し上げた県の大規模接種会場でも打てるようにしようと考えております。
それから4回目接種につきましては、これから急速に接種予定者が増えてまいりますので、急速に伸びていくと思いますが、それらが速やかにできるような体制をしっかりとつくって進めていこうというところでございます。
それから私もそうですが、知事会でも多くの知事の方から、医療従事者・高齢者施設等の従事者、こういった方々についても4回目の接種の対象にしようではないかと申し上げておりましたが、国の方もこれを受け入れて、その方向でやると言っておられますので、早速、59歳以下の医療従事者、それから高齢者施設の従事者に対していろいろと準備を進めていこうということです。岐阜県の場合、大体ざっと7万7千人の方々が対象になるということで、これをスムーズにスピーディにやっていきたいということでございます。
あとお手元のグラフは病床使用率の推移、重症者数の推移、陽性率の推移とありますが、いずれにしても新規陽性者数の推移と同じような動きを見せておりますのでご覧いただければと思います。
それから参考資料2で、これは既に5月末に発表した方針なのですが、そこに少しアンダーラインを引いたところが書き足したところであります。この2ページをご覧いただきますと、1週間平均が700人を超えますと、保健所での検査の実施等を思い切って重点化して、それぞれの施設・事業所にお任せする部分をつくっていくと書いてありますが、今700人を超えておりますのでこの2ページの方針で進めていきます。
それから、3ページは更に1,000人を超えた場合ということで、更に保健所の体制の重点化、それから自宅療養支援も重点化します。1,000人を超えた場合は次の3ページの対応も行っていくということでございます。
これから更に急拡大していくのをどう抑え込んでいくのかというのが今の課題でありますので、そういった問題意識で、しかし、社会経済活動はなんとか維持していきたいということも含めてバランスを取りながらの対策をまとめさせていただいたということでございます。
私の方からは以上であります。
記者
今回の対策強化のポイントについて、特に目についたのは、会食において、同一グループでの同一テーブル4人まで、2時間以内ということですが、これは会食を4人までで2時間以内にしてもらいたいということなのか、テーブルの中で4人にしていただいて2時間以内ということなのかどちらでしょうか。
知事
これは1テーブルをしっかり隔離をして食事をするという単位で4人以内、2時間以内ということにしていただいてはどうかということです。
記者
行動制限というよりは目安にしていただきたいということでしょうか。
知事
いわゆる行動制限というか、かつてのような自粛要請ということではありませんが、マスクを取るところで感染するリスクが急速に高まりますので、食事、スポーツジムなどのロッカーとか、浴場とか脱衣場とかいった所は、リスキーだといわれていますので、そういう意味で特にマスクについてリスクのあるこの部分については、目安をはっきり書かせていただいたということです。
記者
検査の充実ですが、ドラッグストアなどで行うワクチン検査パッケージなどはどういったことになるのでしょうか。
知事
これについては、そのまま継続してやっていきます。参考資料2の1ページ目の真ん中あたりの検査体制のところにありますように、198か所確保して8月末まで期限を延長するということにしております。
記者
営業時間等の短縮等、行動制限に踏み込むかどうかが今後の焦点ですが、どこまでを超えたらといいますか、どういったところに注目されていらっしゃいますか。
知事
この後の、変化のスピードとか、医療ひっ迫の度合いとかいったところを中心に総合判断することになろうかと思います。
記者
時期的なものは特に定めないのでしょうか。
知事
すでに第6波のピークに近いところに来ており、今のところまで天井知らずでありますから、日々データを見ながら、分析をしながら判断をしていきたいと思っております。
記者
感染拡大時の対応方針についてですが、700人を超えた場合の対応というのは、既に実施をされている、あるいは近日中に実施するということでよろしいでしょうか。
知事
今、実施に移しつつあるというのが正確なところです。それぞれ周知・体制整備が要りますので、この3日、一昨日、昨日、今日と700人を超えてきておりますので、その方向に移しつつあるということでご理解いただければと思います。
記者
すでにその体制をとりつつあって、近日中にはということですね。
知事
はい。
記者
行動制限というお言葉が先ほどからありますが、具体的には飲食店への営業時間の短縮要請といったことを念頭にお話されていらっしゃいますか。
知事
これまでやってきました「まん延防止等重点措置」「緊急事態宣言」といった法に基づいた、特に飲食を中心とする制限とか、例えば県境を越える移動の自粛等、諸々の行動自粛についての、しかも法律に基づいた対応といった所が最も端的なものだと思います。
記者
過去の例だと、飲食店の営業時間短縮要請、酒類の提供の禁止、自粛要請、(県境を越える)移動の話とかを考えているということですか。
知事
そうです。
記者
第7波はいつから始まったといえるのでしょうか。
知事
折れ線グラフでいうと6月末から急上昇に転じておりますので、この辺から第7波に向かって動き出したと思っております。かつ6月末以降の急上昇の一つの原動力が「BA.5」への置き換わりですから、つまり新しい株による新しい感染の動きということで、専門家の皆さんはそのように理解して、ここからは第7波と言おうと先般議論しました。
記者
第6波は収束せず、第7波にそのまま突入したということでしょうか。
知事
高止まりの状況のまま置き換わって、新しい株による第7波が急速に動き出したということになるのでしょうか。
記者
ワクチン接種の促進について、ワクチン接種後の倦怠感とか歩行障害とかを1年近く訴えていらっしゃる後遺症の方も全国的にいらっしゃいますが、そういった方についてはどのように思われていらっしゃいますか。
知事
5月に第6波が高止まりして、なかなか収束しないという中で、方針を打ち出したときに、一方でワクチンを積極的に打ちましょうということを申し上げたと同時に、副作用については医療機関で連携をとってしっかり診ていって、大学病院の専門家のアドバイスも受けるという体制にしました。それから(新型コロナウイルス感染症の)後遺症の問題についても岐阜大学の大学病院の方に専門外来を設けました。以来そちらの方にかなりいろいろなご相談とかお尋ねがありまして対応していただいております。
記者
今回3回目のワクチン接種の促進ということで広報活動を展開していくということですが、ワクチンの副反応とかが起きたときにどうしたらよいのかといったことも言っていった方が、より安心な接種につながると思うのですが、その辺で何かそういった面での広報だとか、例えばお見舞金だとか新しい対策を取る予定はありますか。
知事
まずは、集中的に広報をやることにしておりますが、どういう内容の広報にするかはきちっと詰めたいと思いますし、そういう中で、今の点についてもきちんと触れさせていただこうと思っております。