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環境を守る
川や地下水をうるおす機能
一面に水がはられた水田(美濃加茂市)
田んぼに利用される用水や雨水の多くは地下にしみ込み、時間をかけて川へかえります。このように、時間をかけて川にかえることにより、川の水の量が安定に保たれます。また、より深く地下へしみ込んだ水は地下水となります。
岐阜県の農地全体で、年間約6.0億立方メートルの水資源を育んでいます。これは徳山ダム貯水量(6.6億立方メートル)に匹敵(約91%)する量です。
有機物を分解する機能
汚泥肥料を使った農作業体験(高山市)
田んぼや畑の土は、バクテリアなどの微生物により家畜排せつ物や生ゴミなどから作ったたい肥をさらに分解し、再び農作物が養分として吸収できる形にかえる働きがあります。
岐阜県の農業集落排水施設の年間汚泥発生量約52千立方メートルのうち、農地等へリサイクルされているのは、その6割程度の約30千立方メートルです。このリサイクル量(廃棄したものを再度利用すること)を向上させることが、環境にやさしい地域づくりにつながります。
空気をきれいにし気温を調節する機能
- 涼しげな農村風景(恵那市)
- 空気をきれいにする機能
- 田んぼや畑などの緑地は、地球温暖化の原因といわれている二酸化炭素や亜硫酸ガスなどの大気汚染物質を吸収する働きがあります。
- 気温を調節する機能
- 農地で栽培される作物は光合成や蒸発散によって光や熱を吸収し、気温を下げる働きがあります。特に田んぼは水の蒸発により気候を緩和します。
- 水田の周辺(150m以内)は、水田の無いところと比べて、夏期の平均気温が約2.5℃低くなります。