選定理由 |
分布域の一部において生育条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。また、過度の採取圧による圧迫を受けている。 |
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形態の特徴 |
高さ40〜100cm程度になる多年草。花は青紫色で径4〜5cm。葉は長さ4〜7cm、幅3cm前後で下面はやや白みを帯びている。 |
生育環境 |
丘陵帯〜山地帯の日当たりのよい草地に生育。二次草地に多く見られる。 |
生活史 |
開花時期は8〜9月頃である。 |
分布状況 |
日本全土に分布。国外では朝鮮半島、中国北部及び東北部、シベリア東部に分布。県内では丘陵帯〜山地帯に確認記録がある。 |
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減少要因 |
本種の生育環境となる草地は茅場(かやば)などとして定期的な草刈りにより維持されてきた二次草地である。しかし、こうした場所は生活様式の変化に伴い利用価値がなくなって立地が消失したりしている。また、観賞用として広く栽培される植物であるが、野生個体も採取され減少している。 |
保全対策 |
本種の生育環境となる二次草地は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ草刈りなど積極的な環境管理が必要である。 |
特記事項 |
秋の七草の一つである。ちなみに秋の七草とはハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウをいい、本書では本種以外にフジバカマを絶滅危惧II類に選定している。 |