選定理由 |
分布域の一部において生育条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
高さ20cm程度になる多年草。花は白色でごく短い柄がある。越冬葉は狭いさじ形、やや扁平で先は硬くなって針状にとがり、数個の細歯牙がある。茎葉及び夏の根出葉はやや細く、先はあまり硬くならず、先に小刺針だけがある。 |
生育環境 |
丘陵帯の山の乾いた岩上や屋根の上など、日当たりのよい所に生育。 |
生活史 |
開花は9〜10月頃。花をつけるとその株は枯れる。 |
分布状況 |
関東地方以西の本州、四国、九州に分布。国外では朝鮮半島、中国に分布。県内では飛騨地方の高山市、上宝村、美濃地方の美濃加茂市、可児市、八百津町などで確認記録がある。 |
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減少要因 |
本種の生育環境は、露岩地など特殊な環境に限定されるため、生育地は離散的になり一度消失すると復元は容易ではない。また、かつては"かやぶき屋根"などにも生育する個体が多く見られたが、家屋構造の変化によりそうした生育地も極端に減少している。 |
保全対策 |
ツメレンゲが自生するような環境は復元が容易ではないため、本種の生育する露岩地などは可能な限り保全するよう配慮が望まれる。 |
特記事項 |
本種は蝶のクロツバメシジミの幼虫の食草として重要である。 |