形態の特徴 |
翅を広げた大きさ20mm前後の蝶である。翅の色は表面が黒色、裏面は灰色で前後翅に小黒点が並び、後翅端付近には橙色の斑紋があり、短い尾状突起がある。 |
生息環境 |
県内では露岩地に生息するが、県外では幼虫の食草が自生する古い石垣や家屋の屋根などに見られることが知られている。 |
生態 |
成虫は5月下旬〜9月上旬頃出現するが、1年に3世代発生を繰り返す。幼虫の食草はベンケイソウ科のツメレンゲやイワレンゲなどである。成虫は食草の周辺を離れることは少ない。幼虫で越冬する。 |
分布状況 |
本州、四国、九州などに分布する。国外では朝鮮半島、中国北部、シベリア、サハリンなどに分布する。県内では高山市(旧高山市及び旧丹生川村地域)に確認記録があるのみである。 |
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減少要因 |
本種は食草となるツメレンゲなどが生育する露岩地を生活圏としており、周辺の樹木の生長などによりこのような特殊な環境が失われてきた。また、過度の採集圧が減少に拍車をかけたと思われる。 |
保全対策 |
食草の生育は、露岩地という特殊な環境に限定されるため、一度失われてしまった環境は復元が容易でない。大きな打撃を受ける前に周辺の樹木を伐採することが望まれる。また、本種の生息数が回復するまで採集は控える必要がある。 |
特記事項 |
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参考文献 |
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