選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
全長9cm程度に成長する。マハゼに似るが、鰭条数や縦列鱗数が少ないことで区別できる。 |
生息環境 |
汽水域を中心に生息しており、感潮域の砂底または砂礫底に生息する。余り上流へは遡上しない。 |
生態 |
主に底生動物を食べる。東京湾での産卵期は6〜7月と9月とされ、汽水域の沈石や貝殻の下面に産卵する。 |
分布状況 |
北海道から九州に分布する。国外では朝鮮半島、中国に分布する。揖斐川と木曽川の感潮域に生息するが、県内の長良川では確認されていない。 |
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減少要因 |
過去の県内における小型ハゼ類の正確な情報は不足しているが、現在揖斐川・木曽川の感潮域に生息しているにもかかわらず、長良川の淡水化した区間では全く採集されないことから、汽水域の淡水化と抽水植物帯の減少によって生息条件が悪化していると考えられる。 |
保全対策 |
砂質の低塩分な汽水域を確保する必要がある。河川下流域の塩分や底質は、上流域のダムなどの建設による影響が考えられるため、自然に近い季節変動に配慮した流量管理などが必要である。 |
特記事項 |
揖斐川下流の生息地は三重県との県境となっているが、三重県レッドデータブックにおいても環境改変などによる減少を理由に絶滅危惧IB類とされている。 |
参考文献 |
辻幸一(2001)アシシロハゼ.川那部浩哉・水野信彦・細谷和海(編)、山渓カラー名鑑日本の淡水魚3版、p.625:山と渓谷社. |