選定理由 |
既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。 |
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形態の特徴 |
全長85cm前後で、翼を広げた大きさが2m以上になる大きなタカである。体の色は全体的に黒褐色で頭の後ろが金褐色である。雌雄同色である。 |
生息環境 |
丘陵帯から亜高山帯の山岳地に広く分布するが、開けた草地や崖地のある山岳地帯に生息する。 |
生態 |
留鳥。繁殖期(産卵から巣立ちまで)は2〜7月頃である。主として岩棚に営巣するが、アカマツ、モミなど針葉樹の大木やミズナラなど落葉広葉樹を使用する場合もある。秋に求愛飛翔が始まり2月頃産卵して約45日でふ化する。巣立ちまでの日数は70〜81日位である。番いは周年一緒に行動する。餌はノウサギなどの中型哺乳類やヤマドリなどの鳥類である。 |
分布状況 |
北海道、本州、四国、九州などに分布するが局地的である。国外ではユーラシア大陸北部、北米に広く分布する。県内では、高山市、揖斐川町で確実な繁殖記録があり、繁殖期に白川村、大垣市、関ヶ原町、本巣市などで生息が確認されている。 |
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減少要因 |
営巣環境の悪化による。営巣地周辺での人為的活動により繁殖を放棄したり、繁殖活動自体を行わなくなるなどにより種の持続的維持が困難な状況が生じている。 |
保全対策 |
生息環境が広域にわたる種であるため、本種の生息域で人為的行為を行う場合は、営巣環境等について詳細な調査を行いその影響について十分把握した上で対策等を講ずることが望ましい。 |
特記事項 |
国内希少野生動植物種(種の保存法)、天然記念物。 |
参考文献 |
- 「山渓ハンディ図鑑7日本の野鳥」(叶内拓哉・安部直哉・上田秀男、山と渓谷社、1998)
- 「日本の野鳥590」(真木広造・大西敏一、平凡社、2000)
- 「日本の鳥550山野の鳥・水辺の鳥」(山形則男・吉野俊幸、文一総合出版、2000)
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