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白石道遺跡の発掘作業が終了しました
白石道遺跡発掘作業概要報告
白石道遺跡(しらいしみちいせき)は、養老養老郡養老町鷲巣に所在します。養老山地東麓に広がる緩斜面端部に立地し、中世の遺物散布地として、知られていました。令和4年5月から8月まで発掘作業を行い、竪穴建物(たてあなたてもの)6棟の他、土坑、壁際溝や土師器(はじき)・須恵器(すえき)片などを確認しました。
竪穴建物は、一辺が約4mから5mほどの規模で、床面からは屋根を支えるための柱穴や建物の周囲をめぐる壁際溝(かべぎわみぞ)が見つかりました。竪穴建物や溝からは、土師器や須恵器が出土しており、8世紀前半のものと考えられます。この時期の竪穴建物を養老町内で確認したのは初めてのことであり、また、前後の時代の遺構・遺物がほとんど出土していないことから、時期が限定された極めて貴重な遺跡といえます。
竪穴建物(東から)
主な出土遺物は、土師器と須恵器がほとんどで、坏や壺、甕などの日常生活に関わるものが多く出土しました。出土した土器のほとんどが8世紀前半のものと考えられ、釉薬が施されたものや体部に様々な文様のついたものが出土しています。今後、詳細な検討を行っていく予定です。
釉薬が施された須恵器