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インターネット展示室3「見せます古墳の出土品」_Bゾーン
Bゾーン:古墳時代中期【古墳の大型化と首長層の階層化】
概要
4世紀後半から5世紀末にかけて、前方後円墳は大型化し、周辺には、複数の古墳が造られる例もあります。これらは、政治的なまとまりの表れと捉えられます。美濃地域では、大型の前方後円墳のほかに、短い造り出しをもつ円墳などが築造されます。副葬品には、鏡や鉄製品(武器や馬具)など、被葬者(首長)の権威や権力の高まりを示すものも見られます。また、須恵器の副葬が始まり、美濃地域でも新しい文化・技術を取り入れていたことを示しています。
紹介する古墳(パネル)
砂行1号古墳(すぎょう1ごうこふん)(PDF:276KB)
南青柳古墳(みなみあおやぎこふん)(PDF:254KB)
後平茶臼古墳(あとひらちゃうすこふん)(PDF:253KB)
洞北山5号古墳(ほらきたやま5ごうこふん)(PDF:263KB)
西ヶ洞3号古墳(にしがほら3ごうこふん)(PDF:283KB)
遺物の紹介その1
砂行1号古墳出土の銅鏡「変形神獣鏡」
砂行1号古墳の銅鏡出土状況
砂行1号古墳のほぼ頂上から発見された青銅製の鏡です。「鈕(ちゅう)」と呼ばれるひもを通す中心の穴の周辺に4体の神の文様などが見られます。
砂行1号古墳出土の銅鏡実測図
遺物の紹介その2
後平茶臼古墳出土の朝顔形埴輪及び遺物実測図
朝顔形埴輪(あさがおがたはにわ)は、口縁部が大きく朝顔の花が開いたようにラッパ状に広がっています。器台(きだい)の上に壺をのせた形を一つの土製品として表した埴輪です。
後平茶臼古墳出土の円筒埴輪
円筒埴輪(えんとうはにわ)は、筒状の形をしており、壺をのせる器台をかたどった埴輪です。古墳の墳丘に掘った穴に基底部を埋め、列をなして並べられます。
この埴輪は、尾張型埴輪と呼ばれるものです。2つの突帯で3段に区画されており、最上段の口径が最も大きくなる特徴をもちます。
遺物の紹介その3
洞北山5号古墳出土の提砥
洞北山5号古墳の提砥出土状況
提砥(さげと)は、朝鮮半島に起源をもつ携帯用の砥石(といし)で、古墳時代中期に日本に伝わったとされます。岐阜県内でもこれまでに小型の砥石が古墳から出土する例はありましたが、この砥石のように穴をあけて提げることができるものは、他に1例しか見つかっていません。