本文
インターネット展示室3「見せます古墳の出土品」_Eゾーン
Eゾーン:古墳時代後期後半【首長墓から家族墓へ、群集墳の形成】
概要
6世紀末から7世紀中頃になると、前方後円墳が造られなくなり、方墳や小型の円墳が数多く造られます。小規模な円墳は、山腹や山麓などにまとまって築造され、群集墳を形成します。埋葬施設の横穴式石室は追葬が可能であることから、次第に家族墓としての役割をもつようになりました。しかし、群集墳の中にも階層差のあることが、墳丘や石室の規模、副葬品の内容の違いから推測されます。
紹介する古墳(パネル)
洞北山4号古墳(ほらきたやま4ごうこふん)(PDF:268KB)
杉ヶ洞3号古墳(すぎがほら3ごうこふん)(PDF:272KB)
前山2号古墳(まえやま2ごうこふん)(PDF:281KB)
上保岩坪1号古墳(かみのほいわつぼ1ごうこふん)(PDF:229KB)
七反田番場山7号古墳(ななたんだばんばやま7ごうこふん)(PDF:255KB)
遺物の紹介その1
横穴式石室の奥壁隅には、土師器の甕や鉢などが据えられていることがあります。洞第2古墳群(岐阜市)では、4号古墳と6号古墳で土師器の甕が据えられていました。4号古墳では2つの甕が並んで出土しましたが、1つは床の礫を外して据え、1つは礫床(れきしょう)の上に据えてあり、こだわりが感じられます。
洞北山4号古墳の土師器出土状況
洞北山4号古墳出土の土師器の甕
遺物の紹介その2
前山2号古墳から出土した勾玉は瑪瑙(めのう)製です。瑪瑙とは細結晶性の石英の一種で、白色から赤色の縞模様が特徴です。主な産地は、島根県、石川県、茨城県があります。この勾玉は、表面を丁寧に磨き、断面は整った円形をしています。石室の奥壁近くでガラス玉、切子玉とともに出土しました。
前山2号古墳出土の装身具【石製の玉類】
石製の玉類は、棒状の錐で穴をあけたもので、その形から勾玉、管玉、切子玉などに分類されます。比較的加工しやすい滑石(かっせき)(蝋石(ろうせき))や砂岩の他、硬くて光沢のある瑪瑙(めのう)や蛇紋岩(じゃもんがん)といった石材も用いられています。