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展示(11)上保本郷遺跡(本巣市上保)
概要
上保本郷遺跡は、濃尾平野北縁部に立地する遺跡です。遺跡の北側には国史跡「船来山古墳群」があります。平成27年から平成29年まで発掘調査を行いました。発掘調査の結果、古代から中世の鍛冶(かじ)遺構や居住域などが見つかり、時代ごとに中心となる場所が移動することがわかりました。
上保本郷遺跡出土の遺物
遺物の紹介「権衡」
「権(ごん)」は分銅(錘(おもり))の意味であり、「衡(こう)」は重さや計量用具(秤(はかり))を意味します。上保本郷遺跡の権衡(ごんこう)は、下部に向かって若干広くなる六角柱状で、上端に一条の段を巡らせています。頂部には孔のあいた突出部があり、孔には麻と考えられる繊維が付着していました。棹に重りをぶら下げるための紐と考えられます。重さは70.2gで、一緒に出土した古瀬戸縁釉(えんゆう)小皿の特徴から、15 世紀後半のものと考えられます。本資料は、中世後半の重さの単位を知る上で重要な発見と言えます。