本文
絆コーディネーター養成講座(可児)を開催しました!
絆コーディネーター養成講座を開催しました!(平成24年度・可児市)
県では、「岐阜県地域の絆づくり重点推進モデル事業」の一環として、社会的に孤立し行政や地域社会の支援の手が届いていない方を早期に発見・把握し、福祉や医療などの専門機関と連携して、支援や見守りを行う人材(絆コーディネーター)を養成する講座(全3回)を、11月から1月まで、可児市で開催しました。
講座では、40人(可児市在住の自治会関係者、民生児童委員、見守りボランティア団体関係者を中心に、市福祉担当職員、一般の住民の方々)の参加者が、専門家や福祉や医療などの専門機関の講師、助言者からアドバイスを受けながら、各グループに分かれて交流し、ともに学びました。
講座概要(全3回)
- 社会的孤立の実態や福祉、医療などの専門機関の役割・活動内容等について理解を深める第1回講座では、生活上の困難を抱えている方に寄り添い、生活支援と就労支援を一体的に行っている「岐阜県パーソナル・サポート・センター」の取り組みなどを学びました。
- グループワークによる演習(第2回講座)では、県内の民生委員が実際に対応に苦慮された事例をもとに、生活上の困難を抱える住民へのアプローチの仕方や支援方法などについて、ケーススタディ形式で学びました。
- 最終の演習(第3回講座)では、受講者が、自らの地域で生活上の困難を抱える住民などの福祉・生活課題を抽出し、地域における解決に向けた支援の展開方法などについて、グループワークを行い発表しました。
第1回講座
日程:平成24年11月18日(日曜日)13時00分から16時30分
場所:可児市広見公民館ゆとりピア
内容:講義「地域の社会資源を知ろう・活かそう(基礎的な知識・理論の習得)」
講師・中部学院大学短期大学部社会福祉学科長・教授飯尾良英(いいおよしひで)
- 岐阜県パーソナル・サポート・センター岐阜本所統括責任者原美智子(はらみちこ)
- 岐阜県中濃保健所健康増進課技術主査五十川綾子(いそがわあやこ)
中部学院大学短期大学部飯尾良英教授による講義
講師(飯尾良英教授) | 講義の様子 |
---|---|
- 現代の地域社会では、一人暮らしの高齢者が暮らす複層の市営住宅などで、エレベーターが付随していないことからゴミだしや買い物などの日常生活に支障をきたす「限界団地」という新たな言葉が生まれていることなど、身近な福祉の問題を学びました。
- 地域包括支援センターや社会福祉協議会などの「フォーマル(制度的)な社会資源」と住民ボランティア団体や自治会などの「インフォーマル(非制度的)な社会資源」の違いやその役割、活用、開発などについて、社会福祉制度の理解を深めました。
- 自分の住む地域の状態・資源を知り、必要な資源を新たに生み出すことは、地域の絆を深め、福祉にとどまらず地域力を向上させることにつながることを学びました。
岐阜県パーソナル・サポート・センター原美智子さんによる講義
講師(原美智子さん) | 講義の様子 |
---|---|
- フリーターやニート、ホームレスなど社会的孤立者の実態や経済的困窮者の実態・背景などについて、理解を深めました。
- 県内5か所(出張所・相談室を含む)で開設している「岐阜県パーソナル・サポート・センター」の取り組みや支援体制などを知るとともに、相談や生活・就労支援の実例の紹介を通じて、自らの地域における生活困窮者へのサポートの仕方について考えました。
岐阜県中濃保健所五十川綾子さんによる講義
講師(五十川綾子さん) | 講義の様子 |
---|---|
- 統合失調症、うつ病、認知症など精神障がいを抱える方の実態と、保健所の役割など公的支援の取り組みについて学びました。
- 可児市内の精神科病院やサービス事業所を知るとともに、精神障がいを抱える方が、安心して暮らせる地域づくりに必要な地域生活支援体制について理解を深めました。
第2回講座
日程:平成24年12月15日(土曜日)13時00分から16時30分
場所:可児市勤労者総合福祉センター(Lポート可児)
内容:演習(グループワーク)「地域活動のスキルを学ぼう(実践的な知識・技術の習得)」
講師中部学院大学短期大学部社会福祉学科准教授大井智香子(おおいちかこ)
助言者岐阜県パーソナル・サポート・センター岐阜本所統括責任者原美智子(はらみちこ)
岐阜県精神保健福祉センター所長丹羽伸也(にわのぶや)
特定非営利活動法人東濃成年後見センター事務局長山田隆司(やまだりゅうじ)
可児市福祉課課長補佐兼福祉政策係長若尾真理(わかおまり)
可児市中部地域包括支援センター社会福祉士永井正晃(ながいまさあき)
可児市西部地域包括支援センター主任ケアマネジャー村瀬真由美(むらせまゆみ)
演習(グループワーク)の実施
講師(大井智香子准教授) | オリエンテーションの様子 | 演習(グループワーク)の様子 |
---|---|---|
演習(グループワーク)の様子 | 発表の様子 | 講評・助言の様子 |
- 受講者は6グループに分かれ、福祉・生活課題を抱える世帯へのアプローチの仕方や支援方法などを、具体的な事例を通じたケーススタディ形式で学びました。今回は、「支援を拒む一人暮らし高齢者世帯への支援について」または「面会を拒む同居者と暮らす高齢者への支援について」を設定事例にして、グループワークを行いました。
- グループワークでは、講師や各助言者によるアドバイスを受け、実際の現場やその背景をイメージしながら、支援の際に気を付ける点や心構え、相談するべき専門機関や周囲との協力体制の構築など、グループごとに地域でできる支援のあり方を検討・討議し、発表しました。
- 講師や助言者からは、絆コーディネーターとして、わずかな変化に気がつくなど、近所に住む人にしかできないことが大きな支援につながることや、地域には様々な専門機関や相談窓口が存在し、早期に相談・連絡するなど支援ネットワークを上手に活用していくことが求められること、などのアドバイスを受けました。
第3回講座
日程:平成25年1月12日(土曜日)13時00分から16時30分
内容:演習(グループワーク)「地域の課題に挑戦しよう(活動への応用力の育成)」
講師中部学院大学短期大学部社会福祉学科准教授大井智香子
助言者岐阜県精神保健福祉センター所長丹羽伸也(にわのぶや)
特定非営利活動法人東濃成年後見センター事務局長山田隆司(やまだりゅうじ)
可児市福祉課課長補佐兼福祉政策係長若尾真理(わかおまり)
可児市中部地域包括支援センター社会福祉士永井正晃(ながいまさあき)
可児市西部地域包括支援センター主任ケアマネジャー村瀬真由美(むらせまゆみ)
演習(グループワーク)の実施
オリエンテーションの様子 | 演習(グループワーク)の様子 | 演習(グループワーク)の様子 |
---|---|---|
演習(グループワーク)の様子 | 発表の様子 | 講評・まとめ |
- 受講者は6グループに分かれ、自らの地域が抱える福祉・生活課題を抽出し、前回までに習得した知識やスキルを活かして、地域で実践活動を進めていく方法を学びました。
- グループワークでは、講師や各助言者によるアドバイスを受け、現時点あるいは将来予想されることを含めて課題を整理し、望ましい状態をイメージして話し合いました。また、課題を解決するため、近隣住民や専門機関の区分ごとに、誰が、どのような役割を担うべきかを検討し、実践活動を進めていくうえで、地域社会の中で協力者を得るための工夫を図りながら、自らの地域の支援のあり方を検討・討議し、発表しました。
- 講師や助言者からは、共感してくれる協力者を得るには、地域のことをよく知り、他人に無関心にならないこと、日頃の挨拶や顔の見える関係性が大切であること、などのアドバイスを受けました。また、専門機関・専門職にのみできることがある一方、同じ目線に立って支援できる地域住民の皆さんだからこそできることを大切にしてほしい、などのアドバイスを受けました。
受講者の意見・感想
講座の受講者からは、
- 行政、近隣住民、民生委員等との連携が大切であることがわかった。
- グループで議論する時間が多く、具体的に話を進めることができた。それに対しての専門家の助言をいただけたこともよかった。
- 地域のつながりが大切であることを再確認できた。
- 見守りと見張りの違いが理解できた。地域住民でできる(地域住民しかできない)見守り方法をアドバイスいただきよかった。
- 地域内の情報共有が必要であると感じた。
- 行政ができること、できないことについての範囲や、行政との関わり方がわかった。
- 話し合うことで、他の人の意見を聞き、新たな考え方や、問題の解決方法を知ることができた。
- 専門の講師や助言者のアドバイスが勉強になった。
- 自分一人の頑張りも必要だが、地域の皆さんと協力できる人達を見つけて一歩一歩地固めをしたい。
- 活動を続ける秘訣は、工夫をし、無理をせず楽しく感動し、やりがいもあることが大切だと感じた。
- DVに対する支援など、一般住民では何もできないと思っていたが、できることがあることがわかった。
などの意見や感想がありました。