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クドアを原因とする食中毒
クドアを原因とする食中毒に注意!
近年、「食後数時間程度で一過性の嘔吐や下痢が起こるが、軽症で終わる」という有症事例が全国的に報告されています。
こうした有症事例のうち、ヒラメを刺身等で生食した事例について、厚生労働省が調査した結果、「クドア・セプテンプンクタータ(以下「クドア」という。)」という寄生虫が関与していることが強く示唆されました。
このため、厚生労働省は、クドアを原因とする有症事例は、食中毒事例として取り扱うこととしましたので、下記の内容を参考とし、食中毒防止に努めてください。
クドアによる食中毒Q&A
クドアとはどんな寄生虫ですか?
クドアは、ヒラメの筋肉に寄生する寄生虫です。その生態は、よく分かっていませんが、一般にゴカイ等の環形動物を介して魚に感染すると考えられております。
また、ヒトには寄生しないとされています。
<クドア(Kudoaseptempunctata)の胞子>
写真:岐阜県保健環境研究所提供
クドアが寄生したヒラメを生で食べると、どのような症状が出ますか?
クドアが人の体内で生育することはありませんが、クドアが寄生したヒラメの刺身を食べた後、数時間(4から8時間)程度で一過性の嘔吐や下痢を示し、軽症で終わった事例が報告されています。
なお、これまでの事例から、クドアが寄生したヒラメを生で食べても、必ず発症するものではないことも分かっています。
すべてのヒラメが問題となるのですか?
クドアは特定の条件下で飼育(養殖)されたヒラメに感染していることが確認されており、天然では感染する可能性は低いと考えられています。
養殖のヒラメであってもクドアの寄生率はおおむね低く、寄生していたとしても胞子の数は必ずしも多いとは限りません。
クドアの病原性については、胞子を多数、摂取した場合にのみ発症するのではないかと考えられています。
クドアによる食中毒の防止対策はありますか?
クドアは、加熱(75℃で5分以上)又は凍結(ー15℃からー20℃で4時間以上)することにより病原性を示さなくなることが確認されています。
(参考)
- 生食用生鮮食品による原因不明有症事例について<外部リンク>【厚生労働省ホームページ】
- ヒラメを介したクドアの一種による食中毒Q&A<外部リンク>【農林水産省ホームページ】