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木造薬師三尊立像

木造薬師三尊立像[もくぞうやくしさんぞんりゅうぞう]

分類 重要文化財
指定別
所在地 美濃市片知
所有者 板山神社
指定年月日 昭和42年6月14日

 円空は美濃市片知に特別な因縁があったと思われる。それは、片知地区には円空の仏像作品や伝説が多く残っているからである。円空は片知の奥、2kmばかり登った所の窟に滞在して仏像を作っていたと伝えられる。
薬師如来は、薬壺(やっこ)を両手で胸高く奉持し、顔は溢れるばかりの慈悲の笑顔で、前方を見下ろし、蓮台の上に直立している。衲衣(のうえ)、裳(も)、表袴(うえのはかま)など丁寧な彫りである。必然的な線、面、空間によって像全体のバランスが美しく造り出されている。
日光菩薩は、化物(けぶつ)のある高い宝冠を戴き、左胸に大きな日輪を奉持する像である。月光菩薩も同じく化物の宝冠を戴き、左側に新月様の月を現し、胸に大きな雲形文様を彫り、全体として華麗な美しさである。三躯ともに、両側に鰭状衲衣(ひれじょうのうえ)を垂下(すいか)し、表袴の上に裳を重ねている。全体をリズミカルな刀痕、線をもって生かしている。
両脇侍とも、顔はしもぶくれの艶麗な表情で、微笑みを浮かべ、着色をしなくても色感を表出している。