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恵那文楽人形頭[えなぶんらくにんぎょうかしら]中津川市
分類 | 重要有形民俗文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 中津川市中津川川上 |
所有者 | 恵那文楽保存会 |
指定年月日 | 昭和33年12月14日 |
中津川市川上[かおれ]に古来より伝えられている文楽人形頭約50個のうち、秀作23個を県指定の文化財としている。これらの人形の起源は詳らかではないが、その特徴から製作技術がまだ発達していない初期の頃の作品であると考えられている。中津川は美濃と信濃の国境に近く、江戸時代には中山道の貴重な宿場として栄えた。そこで旅のなぐさみに演じられてた人形浄瑠璃の人形が残されて今に至っていると考えられている。人形は大阪文楽系の小型で塗りが克明でない。また、一人で操る人形で、首が動く程度である等の特徴を持っている。種類は多様であるが、中でも「婆」、「丁稚[でっち]」、「お福」が秀逸である。
伝承によれば、これらの人形を使った人形浄瑠璃[じょうるり]は江戸時代から明治初期までさかんに行われ、宝暦年間(1751〜1764)の市岡銀蔵、天明年間(1781〜1789)の中村伝十といった名人を輩出したという。しかし現在では年1回恵那神社の祭礼の日(9月29日)に、三番叟[さんばそう]を奉納するのみとなっている。