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蛭川の杵振踊[ひるかわのきねふりおどり]
分類 | 重要無形民俗文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 中津川市蛭川中切 |
技芸団体 | 杵振花馬保存会 |
指定年月日 | 昭和36年6月19日 昭和51年6月4日 |
杵振踊は安弘見神社の4月16日に近い日曜日の祭礼に奉納される。この踊りの起源については不明である。
鬼は鬼の面をつけて全身を赤布で包み、二本の割竹を持つ。稚児は古風な冠と衣装をつけ榊を持つ。天狗は天狗の面をつけ、全身赤布をまとい柄杓を持つ。おかめもおかめの面をつけ、白衣に赤い袴をはき鈴を持つ。踊子はこの踊りの中心をなし、花笠様の彩色をした紙を張ったどんぐり型の笠を深くかぶり、紺足袋、黄はばき、黒帯に青水玉の袴、花の三つ紋のある金筋入りの赤の着物、白だすきに豆しぼりの鉢巻き、手に杵を持つ。その華やかな扮装と色彩とは、冬の長い山里の人々の春を迎えた歓喜の情をよく象徴している。杵振踊の名が示すごとく、杵を振って踊るのが中心であるが、明治初年までは秋祭であって、杵という豊年増産を意味するものを用い、踊子も2人であったものが、今は数の多いのを喜び、50名前後に及ぶ。蠅追はこの踊子と同じ衣装で笹の葉を持ち、獅子の手綱をとる。獅子は数名の男が入っていて交互に首を振り、特に芸をする訳ではない。このあとに素朴な揃いの衣装で手踊りの娘たちの行列が長く続く。