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三倉の太鼓踊[みくらのたいこおどり]
分類 | 重要無形民俗文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 揖斐郡揖斐川町 |
技芸団体 | 三倉古代太鼓踊保存会 |
指定年月日 | 昭和57年12月7日 |
8月15日、三倉峯神社の例祭に奉納される太鼓踊の一つである。由来は不明であるが、明治初年の村の大火や時流の変化で一時衰退したが、同32年(1899)頃有志の青年が、唄を矢野半左衛門、笛を高橋奥五郎、太鼓を高橋鉄之丞、鉦鼓を増田英太郎に指導を受けて今日に伝えてきた。
祭りの行列は、露払いを先頭に、甲胄に長刀の武者1名、拍子木1名、笛5名、シナイを背負う太鼓8名、鉦鼓5名、両端に五色の和紙を結びつけたザイを持つ子供6〜7名など総勢30名程が、近くの福田寺を出発し、しぐま・お亀の道行の曲につれて神社へ向かい、神前広場で踊を奉納する。
踊りの主体は太鼓役で、太鼓を前に付け、長さ3mの割竹16本を扇形にあみ、紅・白・緑の細く切った和紙を巻き飾ったシナイを背にしている。その服装は、これを引き立てて踊る鉦鼓役とザイ振る子供とともに、ピンクの鉢巻き、黒襟紅白大模様の大袖上衣、白ズボンに黒の脚絆、甲掛けに草鞋ばきである。鉦鼓とザイの子供は、水色のたすきをして背中にたらしている。踊りの種類は、道行、拍子踊り、役踊りの3つに大別される。
この地方の同種の芸能が、すべて春祭りで、この三倉のみが、雨乞いの夏祭りの形をとっており、またシナイに御幣を立て信仰心の残影をとどめていること、山上の竜神に雨乞いをかける役歌をもっていることなどは特筆すべきものであろう。