本文
久津八幡宮祭礼記録類[くづはちまんぐうさいれいきろくるい]
分類 | 重要有形民俗文化財 |
---|---|
指定別 | 県 |
所在地 | 下呂市萩原町上呂 |
所有者 | 久津八幡宮 |
指定年月日 | 昭和42年2月14日 |
久津八幡宮の祭礼について記したもので最も古いのは、元和7年(1621)の願文で、疫病が流行し、その退散を祈願するために獅子頭を寄進し、獅子舞を奉納することを誓っている記述である。しばらくはこうした単純な内容が続くが、元禄期(1688〜1704)になると記録された内容も充実してくる。いつ、どのような演目が、どんな配役で行われたかが詳しく記載されている。ここに記載されている演目は元禄以前の古浄瑠璃・初期歌舞伎であり注目されるものである。その後、花火の打ち上げや「松坂踊り」が加えられ、娯楽中心になっていったようである。祭礼そのものは毎年続けられていたが、飢饉・不作・飛騨郡代の厳しい取り締まりで狂言が上演されていない年は、松坂踊りや獅子舞などを奉納し、全く何もしない年は少ない。狂言は毎年演目を変えて行われていたようである。さて、この祭礼では、いわゆる名人芸を披露することよりも、村民が楽しみ、融和することに主眼をおいていたようである。