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加子母の農村舞台(明治座)[かしもののうそんぶたい(めいじざ)]
分類 | 重要有形民俗文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 中津川市加子母下桑原 |
所有者 | 明治座保存会 |
指定年月日 | 昭和47年7月12日 |
中津川市加子母の農村舞台は、下郷神社脇に、社殿と同じく南西向きに建てられている。正面右側に切符売り場、下足置き場、便所などの棟が付属している。舞台は元は別の場所にあり、明治26年(1893)12月、「共同演劇場」という名称で芝居小屋を新築したのが、今の「明治座」である。建物は切妻造り妻入で、間口は19.6m、奥行22.21mで、背後に下家が設けられている。舞台の奥行は7.85mで、中央に直径5.50mの皿回し形式の回り舞台がある。この明治座は、比較的規模が大きく、劇場形式の農村舞台の発達したものとして注目される。
中津川市加子母の地芝居は、東濃地方の他地域と同じく江戸時代中期以前から行われていたものと思われる。明治27年(1894)の明治座舞台開きは、12月10日より4日間、地芝居のみならず他地域から役者一座を招いて行われたと記録されている。その後、大正時代には興業法による取り締まりが厳しくなり、地芝居は衰退した。戦後、明治座保存会が結成され、再びよく利用されるようになった。