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葉津文楽人形頭と衣裳[はづぶんらくにんぎょうかしらといしょう]
分類 | 重要有形民俗文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 加茂郡七宗町神渕葉津春日神社(岐阜県博物館寄託) |
所有者 | 葉津文楽保存会 |
指定年月日 | 昭和55年11月11日 |
今の葉津地区は、江戸時代には尾張藩領神渕村をつくる10の村のひとつであった。残されている資料から察するに、貧しい村であったようだが職人が多いという特徴も持っていた。葉津文楽で特徴的なのは、他から購入した人形を使うのではなく、地元の職人が作製していたという点である。当時、人形頭は淡路、阿波、大阪で専門の人形細工師がつくったものを購入し演じるのが普通であった。ところが葉津では庄屋の塚本和吉(1731〜1819)が長年にわたって作り続けた人形頭を用いているのである。人形頭の内側に示された墨書銘によると、安永2年(1773)から彼の死の直前の文政2年(1819)までの作品が残されていることになる。ただし、この途中にあたる天明年間(1781〜1789)と寛政年間(1789〜1801)の作品は存在しない。飢饉や幕府の改革により人形芝居どころではなかったことが推定できる。これらの人形は前述の専門人形細工師の作品に比べ稚拙ではあるが、素朴さと暖かみが伝わってくる。衣裳は羽二重・縮緬・銘仙・紬などの絹織物や木綿を材料として、小袖・振袖・筒袖のものから、打掛、袴などがある。また、金糸で模様を織りだした金襴もの、繻子の地織に模様を織り込んだ緞子のものなど、豪華な衣裳までひととおり揃っている。