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宮ノ前遺跡出土品[みやのまえいせきしゅつどひん]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 飛騨市宮川町塩屋 |
所有者 | 飛騨市 |
指定年月日 | 平成9年7月29日 |
宮ノ前遺跡は、西忍と呼ばれる河岸段丘上の集落の一角に位置している。
宮ノ前遺跡出土品は、国道360号線のバイパス工事等に伴う発掘調査によって出土した遺物のうちの1219点である。出土した遺物の年代は旧石器時代から縄文時代草創期・早期にわたる。
旧石器時代の遺物は、ナイフ形石器、尖頭[せんとう]器、細石刃など石器類294点である。縄文時代草創期の遺物は細石器、尖頭器などの石器類535点、隆起線文土器、表裏縄文土器など42点である。また、縄文時代早期の遺物は、石鏃や磨製石斧、石錐[きり]などの石器類58点、沢式土器や細久保式土器などの土器類100点である。
以上の遺物が、旧石器時代から縄文時代早期にわたる整然とした層から検出されたことは、全国的に非常に珍しく価値がある。また、旧石器時代の遺物包含層から有機物遺存体(加工痕がある木片、甲虫類の翅)が検出されたことも注目される。
宮ノ前遺跡の出土品は、飛騨地域における旧石器文化から縄文時代早期の文化の展開や周辺地域との文化交流を考察するうえで、極めて重要である。