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銅経筒[どうきょうづつ]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 岐阜市大宮町(岐阜市歴史博物館) |
所有者 | 岐阜市 |
指定年月日 | 昭和49年3月6日 |
平安時代、末法思想の流行につれ、経文を書写してこれを地中に埋蔵し、仏法滅尽の後まで仏の教えを伝えようとした。このとき経巻を容れた器が経筒である。経筒は多く銅製で金鍍金[めっき]を施しているが、稀に鉄製や陶製もある。
この経筒は銅製の打物で、薄い銅版を円筒形にまるめて底に入れ、これに同じ技法の単純な覆蓋を添えたもので、まるめた銅版は鋲で止めず、たがをはめて止めている。内外面に金鍍金[めっき]が施されている。
寸法は総高25.1cm、身の高さは25cm、口径8.4cm。蓋の高さは2.7cm、口径8.9cmとなっている。多年地中にあったため身や蓋の内外面に緑青が吹き出している。
経筒にはこの中に収めた経名、願主名や年紀などの銘文のあるものもあるが、この経筒には銘文はない。製作は平安時代末期と推定される。岐阜市瑞竜山出土と伝えられているが確証はない。