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円空自筆和歌集附神符三十枚
円空自筆和歌集附神符三十枚[えんくうじひつわかしゅうつけたりしんぷさんじゅうまい]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 関市洞戸高賀 |
所有者 | 高賀神社 |
指定年月日 | 昭和42年2月14日 |
修験道においては、その生活行動等を記録に残さないという習慣があり、円空は修験者として、このしきたりを厳守していたと思われる。従って年齢を初めとして、修行の経歴から師匠、場所など一切記録を残さなかったので不明なことが多い。
しかし、仏像とわずかに遺っている仏像の墨書やこの和歌集によって、円空の生活行動を知ることが出来るのである。和歌について円空は学識がなく、円空の和歌として知られる飛騨袈裟山千光寺にある袈裟百首をはじめ、高賀山の和歌集の歌も、多くは古今集の和歌そのままに近いような模倣で、円空の自作と思われるものは少ないということである。
円空の和歌集をみてみると、円空のメモと思われる点や丸が和歌の上にしるしてある。この和歌集は正しく円空自身の筆であり、円空の歩いた足跡や大峰修行の体験を歌ったものであり、有意義なものである。また、彫刻家としての円空の少ない筆跡として、和歌集と神符は貴重なものである。