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絹本著色文殊菩薩像[けんぽんちゃくしょくもんじゅぼさつぞう]
分類 | 重要文化財(美術工芸品) |
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指定別 | 県 |
所在地 | 岐阜市三輪(現在、岐阜市歴史博物館に寄託) |
所有者 | 真長寺 |
指定年月日 | 平成19年2月2日 |
独尊像の文殊菩薩像は獅子(しし)上に坐し、右手に剣、左手には経典を持つ姿が一般的である。
真長寺の文殊菩薩像は、右手に梵篋(ぼんきょう)、左手には三鈷杵(さんこしょ)が載った蓮華(れんげ)を持つ密教系統の作例であり、この像容は両界曼荼羅の中台八葉院にみられる文殊菩薩像と一致する。目の細さや品のある顔立ちなど、構図・技術ともにすぐれた優品である。また、本図は良質の絹二副を継いだ画絹を用いており、その特徴から、15世紀の作品と考えられる。画絹は目の粗いものであるが、美しい絵の具も残っている。
全国的に見ても類例が少ない密教系の文殊菩薩像として貴重な作例である