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太刀[たち]銘兼氏[めいかねうじ]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 岐阜市 |
所有者 | 個人所有 |
指定年月日 | 昭和36年3月6日 |
- 長さ:70.6cm
- 反り:1.2cm
品の良い太刀姿で身幅も尋常、大磨上[すりあ]げ、元来は87.9cm位であったと思われる。反りは1.2cmで浅い。棟は三つ棟。
地鉄[じがね]は、板目肌よくつみ、柾目[まさめ]も交わり、地沸[じにえ]よくつきさえている。刃文は小互の目にのたれ交り、砂流し金筋所々にかかり、樋[ひ]が掻流[かきなが]されている。
帽子は焼幅浅く乱れ込み、浅く返る。相州伝に大和風が加味している。
中心[なかご]は磨上[すりあ]げで、銘は「兼氏」と二字に切る。
兼氏の生国は大和で、手掻派の鍛冶である。初銘を包氏と称し鎌倉末期頃、美濃国志津(現海津市南濃町)に移住したと伝えられる。36歳で鎌倉に赴き、名匠正宗の弟子となった。正宗十哲の一人として、数多くの名作を残した。