形態の特徴 |
翅を広げた大きさ35mm前後の蝶。翅の色は濃茶褐色で蛇の目紋がある。裏面には翅の付け根付近から周縁部に広がるような白色のさざ波模様があり、前翅に1個、後翅に3個の蛇の目紋がある。 |
生息環境 |
丘陵帯〜山地帯の草地に生息。林床の明るい疎林や路傍の林縁部の草地に見られる。 |
生態 |
成虫は6月中旬〜9月中旬に出現する。幼虫の食草はイネ科植物。幼虫で越冬する。 |
分布状況 |
本州、四国、九州に分布。国外では朝鮮半島、中国に分布。県内では美濃地方の岐阜市、各務原市などに確認記録がある。 |
![分布情報図を拡大表示します 分布情報図を拡大表示します](/uploaded/image/8545.jpg)
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減少要因 |
生息環境となる落葉広葉樹二次林の減少。生息環境はいわゆる"里山"と呼ばれる地域にあり、かつて燃料材などとして利用するため維持管理されてきたコナラ、クヌギなど落葉広葉樹二次林である。しかし、現在では利用価値がなくなったため伐採されたり、針葉樹植林に転換されたりして生息環境が急激に悪化している。また、現存する林も放置され植生の遷移により林の環境が急激に悪化している。 |
保全対策 |
本種の生息環境となる二次林は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ除伐や草刈りなど積極的な環境管理が必要である。 |
特記事項 |
県内の生息個体群は本州中部亜種(ssp.niphonica)に区分される。 |