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ヒメヒカゲ_20422
ヒメヒカゲ | CoenonymphaoedippusFabricius | 絶滅危惧II類 |
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(環境省:絶滅危惧II類) | チョウ目ジャノメチョウ科 |
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選定理由 | 大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。また、大部分の個体群がその再生産能力を上回る捕獲圧にさらされている。 | |
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形態の特徴 | 翅を広げた大きさ35mm程度の蝶。翅の表面は黒褐色。裏面は赤褐色で後翅には黄色く縁取られた蛇の目模様と銀色の条がある。 | |
生息環境 | 丘陵地、低山地の山間の明るい湿地に生息する。 | |
生態 | 成虫は6月中旬〜7月に出現する。幼虫の食草はヒメカンスゲ、コジュズスゲなどカヤツリグサ科の植物。イネ科植物も食べることが知られている。 | |
分布状況 | 本州の中部以西の限定した地域に分布。国外ではヨーロッパから東アジアに至るユーラシア大陸の北中部に分布。県内では美濃地方の東濃地域南部の市町村にのみ確認記録がある。 | |
減少要因 | 生息環境となる湿地の消失。生息環境は主として丘陵部の山裾にあり、周辺を落葉広葉樹林に囲まれた湿地である。こうした立地は人間の生産活動の場として利用しやすい場所でもあり、生息環境が急激に消失している。 | |
保全対策 | 丘陵部山裾の湿地の保全・創出に配慮が望まれる。特に本種は氷河期遺存種で山裾からにじみ出た水温の低い湿地に生息しており、そのような環境には十分配慮する必要がある。 | |
特記事項 | 県内の生息個体群は本州中部亜種(ssp.annulifer)に区分される。 |