選定理由 |
大部分の生息地で生息条件が明らかに悪化しつつあり、個体数が大幅に減少している。 |

|
形態の特徴 |
翅を広げた大きさ36mm前後の蝶。翅は白色で前翅の端に黒っぽい斑紋がある。夏季に出現する個体は43mm前後とやや大きく黒い斑紋も明瞭。 |
生息環境 |
山地帯の高原など陽当たりのよい背丈の低い草原に生息する。県内では堤防や河川敷の草地に見られることが多い。 |
生態 |
成虫は年に3回出現時期があり、4月下旬〜5月上旬、7月上・中旬、8月下旬〜9月上旬に見られ、出現時期に開花しているノアザミ、ナンテンハギなど各種の花で吸蜜する。雄は湿地で吸水することもある。幼虫の食草はマメ科のツルフジバカマ。蛹で越冬する。 |
分布状況 |
北海道、本州、九州に分布。本州では主として中部以北の草原に生息地が知られている。国外では朝鮮半島、中国などに分布。県内では飛騨地方の高山市、丹生川村、古川町、国府町、久々野町、小坂町などに確認記録がある。 |

|
減少要因 |
生息環境となる草地の減少。本種の生息地は茅場などとして定期的な草刈りにより維持されてきた二次草地である。しかし、こうした草地は生活様式の変化に伴い利用価値がなくなって改変されたり、放置されて樹林化したりして急激に減少している。 |
保全対策 |
本種の生息環境となる二次草地は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ草刈りなど積極的な環境管理が必要である。 |
特記事項 |
県内における生息地は、現在では飛騨地方の宮川河川堤防に限定されているようである。 |