選定理由 |
既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。 |
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形態の特徴 |
翅を広げた大きさ20mm前後の蝶。翅の色は雄では青色で縁は帯状に黒い。雌では暗褐色。裏面は雌雄とも灰褐色で黒点が多くある。本種と同じように人里に生息するヤマトシジミに似ているが翅裏面の斑紋の差異で区別できる。 |
生息環境 |
河川堤防や田畑の周辺のシバ草原など背丈の低い草地に生息。 |
生態 |
成虫は5〜11月に出現し、地上低くを飛んでミヤコグサなどの花で吸蜜する。幼虫の食草はミヤコグサ。幼虫で越冬する。 |
分布状況 |
栃木県以西の本州、四国、九州及び南西諸島に分布。国外ではアフリカからアジア南部、オセアニアに至る広い地域に分布。県内では美濃地方の岐阜市、大垣市、羽島市など美濃平野の河川堤防に確認記録が見られるが、1982年以降確認されていない。 |
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減少要因 |
生息環境となるシバ草原の消失。シバ草原は茅場として定期的な草刈りや火入れにより維持されてきた二次草地だが、こうした場所は生活様式の変化に伴い急激に消失している。今日では河川堤防の草地が重要かつ限られた生息場所となっているが、ミヤコグサが群生する場所はごく限られている。 |
保全対策 |
本種の生息環境となる二次草地は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ草刈りなど積極的な環境管理が必要である。 |
特記事項 |
県内の生息個体群は本土亜種(ssp.emelina)に区分される。 |