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木造円空作天部像[もくぞうえんくうさくてんぶぞう]
分類 | 重要文化財 |
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指定別 | 県 |
所在地 | 美濃市立花 |
所有者 | 立花区 |
指定年月日 | 昭和45年10月27日 |
- 檜材一木造彫眼
- 像高左:63.0cm右:68.0cm
美濃市立花の佐ヶ坂集落から、片知へ行く峠の登りつめた所に六角堂がある。その中から発見された護法神である。ながい間、発見されず、円空作仏像として、誰にも知られないで過ごしてきた。これらの像は、円空独特の個性豊かな優作である。
この護法神の宝髪逆上の姿は、奈良、室生寺の平安前期の四天王から影響を受けている。しかし首から下の抽象的表現は、日本仏像の何れにも見出せない円空独自の創造である。円空仏は彫刻としてより、信仰の対象、礼拝のためのものであるから、正面観照を常に心がけている。日本古来の神像の形態から、あるヒントを得ているとも思われる。ほとんどの円空仏は、飛鳥仏にみられる鰭状衣文[ひれじょうえもん]をつくっているが、この護法神にはそれがみられない。