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みんなでみんなの自主防災組織をつくろう

記事ID:0005502 2021年5月21日更新 防災課 印刷ページ表示 大きな文字で印刷ページ表示

自主防災組織って?

 大地震などの災害が発生した場合、消防署など防災関係機関は、全力をあげて防災活動をしようとしますが、電話の不通、道路の不通、火災の同時多発、水道管の破損などの悪条件が重なり、動こうにも動けない事態となることは間違いありません。
 こんなときどうしたらよいでしょうか。自分の身は自分で守る、つまりそれが自主防災なのです。ただし、各自が、バラバラに動いても、一人ひとりの力には限度があり、かえって危険な場合もあります。みんなが地域ぐるみで助け合い協力し合って、統制のとれた行動をとることにより、はじめて一人ひとりの力が生きてくるのです。ここに、地域ぐるみの自主防災組織づくりの重要性、必要性があります。

組織をつくるきっかけは?

 すでに自主防災組織をつくっている地域では、どんなきっかけではじめたのでしょうか。いくつか紹介します。

  1. 東海地震の発生が予想され、住民の防災についての関心が高まり、組織づくりの基盤が寄り合いなどで自然にできた。
  2. 水害にあった経験を持つ地域で、その共通体験から、共同し、連帯して災害に立ち向かわなければならないという意識が生まれた。
  3. 地理的条件から消防署や消防団の防災活動が難しく、災害は、地域のみんなで立ち向かわなければならないと自覚した。

 これらの例から、組織化のきっかけは、どこにでもあると思います。きっかけを上手にとらえて、みんなの話し合いが始まり、防災意識が高まり、自主防災組織の必要性を感じたところが成功しています。

組織の大きさは?

 自主防災組織の大きさは、定まったものはありませんが、すでに活動している地域の例から、町内会(自治会、広報会、区、組など)や小学校区単位というのは、毎日の生活の中で顔見知りの範囲であり、お互いの連帯感がわき、組織活動が効果的に生かされる大きさといえます。
 これから組織化しようとするところは、みんなの意見をまとめやすい町内会単位の比較的小さいものを考えたらどうでしょうか。この大きさであれば、顔見知りでもあり、話し合いも十分でき、なじみやすいと思われます。

だれがなにを受け持つか?

 自主防災組織が災害時に効果的に活動するためには、どんな活動をし、だれが何を受け持つかを決めておき、更にお互いの関係を体系づけておくことが重要です。
 一般的な編成は、次のような形となるでしょう。

組織図
 このほか、地域の実情に応じて、水害に対しての水防班、がけ地等に対しての巡視班などを設けるのも良いでしょう。

大災害が起こったときの自主防災組織の活動

(1)初期消火

 地震による火災は、関東大震災のように市街地では、地震そのものによる被害を何十倍にも大きくします。火災が起こらなければ火に追われて避難する必要もありません。地震のとき、火を出さない、火が出たらすぐ消すことが何より重要になります。

(2)救出救護

 大地震が起こると、建物が壊れたり、落下物等により、多数の負傷者が出ます。しかし、救助工作車や救急車は、道路が通れなくなったり、渋滞で、動きがとれません。病院なども負傷者が殺到して処理しきれません。
 このようなとき、自主防災組織の救助救護活動が非常に重要になります。

(3)情報連絡

 災害が発生するおそれがある場合や発生した場合に、的確な対策をとるため、また、混乱防止のため、正しい情報の伝達や収集が不可欠です。
 特に大地震が起こったときは、人間の精神が不安定ですから、デマが飛びやすく、パニックが発生しかねません。いち早く地域の被害状況や異常な情報を収集し自主防災組織の本部へ連絡します。本部はその情報を活用し、各班へ活動を指示します。

(4)避難誘導

 避難の指示や勧告は、市町村長や警察官から出されますが、伝達困難な場合など、自主防災組織の自主的な判断で避難することも必要になります。
 避難するとき、避難誘導班は、地域全員の安全を図るため、避難場所、避難道路の状況を調べ安全な経路を選定し、子供、病人、お年寄り、体の不自由な人など自力避難が困難な人の搬送を行います。

(5)給食給水

 地震で一番困るのは、水です。組織的な水の確保のため、備蓄した水の管理、井戸の確保に努めます。また、市町村の給水車が来るようになったら、整然と配分します。
 流通の機能の麻痺で食糧の不足も考えられます。水と同様備蓄した食糧を管理し、大型の鍋、釜などを持ち出し、炊き出しを行います。

平常時の自主防災組織の活動

(1)普段から防災のポイントを確認しましょう。

  • 初期消火のため
  • 防火水槽、消火栓の位置の確認、消防ポンプ、街頭消火器の位置の確認
  • 救出救護のため
  • ジャッキ等はどこにあるか。負傷者を運ぶ医療機関はどこにあるか。医薬品の確保はどうすればよいか。
  • 避難誘導のため
  • 最寄りの避難地はどこか。避難路としてどこが安全か。

(2)防災資機材の整備

 手入れが簡単で、誰でも使いこなせるものを用意しましょう。

(3)防災訓練

 何度も何度も訓練をすることにより、初期消火、応急手当の方法について習熟しておきましょう。特に大地震のときは、普段頭で考えていることは、まずできません。頭よりも体の方が先に動くくらい訓練をし、なれておくことが一番大切です。