選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
翅を広げた大きさは35〜40mm前後の蛾である。カラスヨトウの仲間では小型の部類に属する。翅の色は暗褐色で、黒色の筋があるが目立った模様はない。 |
生息環境 |
限定された地域の丘陵帯から山地帯にかけて生息する。急峻な崖の多い石灰岩地帯が主な生息地である。 |
生態 |
成虫は初夏に羽化するが夏眠して秋に交尾・産卵する。成虫出現期は6月〜9月。幼虫の食草はツゲである。 |
分布状況 |
国内では本州に分布する。新潟県、東京都、岡山県などに産地が知られる。県内では美濃地方の山県市(旧美山町地域)で確認記録があるのみである。 |
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減少要因 |
食草のツゲは石灰岩地、蛇紋岩地など特殊な立地に生育していることが多く、生息地はもともと狭い。 |
保全対策 |
生息地はごく狭い範囲に限定されているため可能な限りその場所を保全することが望まれる。 |
特記事項 |
成虫の集団夏眠行動が確認される所は、当県以外に知られていない。 |
参考文献 |
- 船越進太郎(1984)ヤヒコカラスヨトウ岐阜県で採る.蛾類通信128:46
- 船越進太郎(1990)ヤヒコカラスヨトウの夏眠個体を岐阜県で採る.誘蛾燈120:106
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