| 選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
 |
| 形態の特徴 |
翅を広げた大きさは39〜45mm前後の蛾である。前翅の前縁が明るいが全体的に黒っぽい。斑紋はよく目立つ。 |
| 生息環境 |
森林限界以上の高山帯に生息する。高山帯に分布するアブラナ科植物の生育範囲と共通すると思われる。 |
| 生態 |
フジハタザオにつくことが知られるが詳しい生態はわかっていない。成虫は7月〜9月に出現する。 |
| 分布状況 |
本州の高山帯に生息するが、北海道や東北地方の山地帯には生息せず、分布域の限られた種である。県内では、乗鞍岳にのみ記録があり、他の高山帯からは知られていない。 |
 |
| 減少要因 |
高山帯や亜高山帯の草原など生息環境の悪化、酸性雨などの影響が考えられる。 |
| 保全対策 |
生息環境の保全と温暖化の防止。さらに県内高山地帯の詳しい調査や生活史の解明が行われ、適切な保全対策が取られることが望ましい。 |
| 特記事項 |
|
| 参考文献 |
- 船越進太郎（1998）乗鞍岳の蛾類．誘蛾燈153:81-99
- 船越進太郎・宮野昭彦・鈴木俊文・近藤宗由（2007）2007年8月下旬、乗鞍岳高山帯における鱗翅目昆虫の個体数調査.やどりが215：6-11
- 船越進太郎・宮野昭彦・鈴木俊文・山崎美恵（2009）2008年7月中旬・8月下旬の乗鞍岳高山帯における鱗翅目昆虫の個体数調査、生息状況解析について.やどりが219：9-18
|
