形態の特徴 |
翅を広げた大きさは41mm前後の蛾である。やや胴体は細く、翅の幅が広い。茶褐色の地色に黒い筋が走るが、斑紋ははっきりしない。後翅は一様に灰白色である。 |
生息環境 |
高山帯に生息する「高山蛾」である。高山帯の中でも高標高の地点でのみ記録がある。豊かな高山草原の存在が生息に必要な条件と考えられる。 |
生態 |
食草もわかっておらず、詳しい生活史は不明である。成虫は8月に出現する。 |
分布状況 |
本州の高山帯に分布する。北海道や東北地方の山地帯では記録がなく、分布範囲の限られた種である。県内では、白山、乗鞍岳、弓折岳、双六岳に記録がある。 |
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減少要因 |
登山客による踏み荒らし、帰化植物の侵入、酸性雨など生息環境の悪化などが考えられる。 |
保全対策 |
生息環境の保全と温暖化の防止。生活史を解明し、適切な保全対策をとる必要がある。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 野平照雄・船越進太郎・高井泰(1997)昆虫類.37-61
- 田中俊弘ほか、平成8年度生態系多様性地域調査(白山地区)報告書:92pp.環境庁委託調査:岐阜県
- 船越進太郎(1998)乗鞍岳の蛾類.誘蛾燈153:81-99
- 野平照雄・船越進太郎(1998)乗鞍岳の昆虫類.42-57
- 田中俊弘ほか、野生鳥獣感染病防止対策調査.乗鞍岳生物相調査会:68pp.岐阜県委託調査:岐阜県
- 船越進太郎・宮野昭彦・鈴木俊文・近藤宗由(2007)2007年8月下旬,乗鞍岳高山帯における鱗翅目昆虫の個体数調査.やどりが215:6-11
- 船越進太郎・宮野昭彦・鈴木俊文・山崎美恵(2009)2008年7月中旬・8月下旬の乗鞍岳高山帯における鱗翅目昆虫の個体数調査、生息状況解析について.やどりが219:9-18
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