選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
翅を広げた大きさは36〜44mm前後の蛾である。赤褐色の前翅に白と黒の波線が入る。後翅は中央に「く《の字状の黒紋が入る以外は模様がなく白っぽい。 |
生息環境 |
森林限界より上部の高山帯に生息する「高山蛾《である。 |
生態 |
食草にコケモモ、エゾノツガザクラが知られるが、詳しい生態はわかっていない。特に雌成虫の記録が少なく、生活史は謎に包まれている。成虫は7月〜8月に出現する。 |
分布状況 |
北海道、本州に分布する。国外ではアムール、樺太、ユーラシアに分布する。県内では白山、乗鞍岳、御嶽山、弓折岳、双六岳、笠ヶ岳に記録がある。乗鞍岳桔梗ヶ原ではかつて多産したが、近年は個体数が減っている。 |
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減少要因 |
登山者の踏み荒らし、帰化植物の侵入など高山草原の消失などによる生息環境の悪化が考えられる。 |
保全対策 |
生息環境の保全と温暖化の防止が重要である。また、生活史を解明し適切な保全対策をとる必要がある。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 野平照雄・船越進太郎・高井泰(1997)昆虫類.37-61
- 田中俊弘ほか,平成8年度生態系多様性地域調査(白山地区)報告書.92pp.環境庁委託調査:岐阜県
- 船越進太郎(1998)乗鞍岳の蛾類.誘蛾燈153:81-99
- 野平照雄・船越進太郎(1998)乗鞍岳の昆虫類.42-57
- 田中俊弘ほか、野生鳥獣感染病防止対策調査.乗鞍岳生物相調査会.68pp.岐阜県委託調査:岐阜県
- 船越進太郎・宮野昭彦・鈴木俊文・近藤宗由(2007)2007年8月下旬,乗鞍岳高山帯における鱗翅目昆虫の個体数調査.やどりが215:6-11
- 船越進太郎・宮野昭彦・鈴木俊文・山崎美恵(2009)2008年7月中旬・8月下旬の乗鞍岳高山帯における鱗翅目昆虫の個体数調査、生息状況解析について.やどりが219:9-18
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