形態の特徴 |
翅を広げた大きさは55mm前後の蝶である。橙褐色の地色に黒い斑紋を点在する。後翅裏面に濃い褐色紋と銀白色の斑紋列がある。雌はやや大型で前翅の先端に白斑がある。 |
生息環境 |
低地から山地帯に広く分布し、林縁の草原や土手などを好み、特に湿地や溜池の周りなどに見られる。 |
生態 |
成虫は6月下旬頃から現れるが盛夏にはいったん活動を休止し、8月下旬頃から再び活動を始め9月下旬頃まで見られる。産卵は食草(スミレ類)の周りの地上付近に行われ、幼虫のまま越冬する。 |
分布状況 |
北海道から本州、四国、九州にかけ広く分布するが生息地は減少傾向である。国外ではヨーロッパから朝鮮半島までユーラシア大陸北部に広く分布する。県内でも各地の丘陵地から山地にかけて点在しているが生息地は局地的である。 |
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減少要因 |
他の草原性の蝶と同様に減少しており、詳しい原因は解明されていない。しかし、生息地である林の周りや堤防などの草原の減少も減少の一因である。 |
保全対策 |
本種の保護にも広範囲な地域が必要で、林や湿地の周りの草原など本種の生息地の包括的な保全が望まれる。 |
特記事項 |
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参考文献 |
- 西田眞也、岐阜県の蝶
- 信州昆虫学会、信濃の蝶
- 藤岡知夫、日本産蝶類大図鑑
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