選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
|
形態の特徴 |
翅を広げた大きさ45mm前後の蝶である。翅表は赤色と黒色の斑紋、裏面は黒色の地色で褐色と縞模様を作り、種の同定に困る類似種はいない。 |
生息環境 |
標高1200m付近の亜高山帯下部にあたる針葉・広葉混交林の林縁や渓流沿いに生息する。 |
生態 |
越冬から目覚めた成虫は5月中・下旬に産卵し、7月中・下旬から出現する。飛騨山脈の上部で見られるものは、発生地からの移動個体である。幼虫の食草はイラクサ科のエゾイラクサなどである。成虫で越冬する。 |
分布状況 |
北海道、本州の中部山岳地帯に分布する。国外ではヨーロッパ、中央アジア、シベリア、中国大陸、朝鮮半島北部に分布する。県内では高山市奥飛騨温泉郷、同市丹生川町、同市高根町、飛騨市神岡町などに確認記録がある。 |
|
減少要因 |
食草のイラクサ科植物の減少による。道路沿いの日当たりの良い食草は雑草として、建物やキャンプ場周辺は、茎や葉にある刺毛に刺されると痛いので刈られてしまう。 |
保全対策 |
本種の生息環境となるような林縁草地の保全に配慮が望まれる。 |
特記事項 |
|
参考文献 |
|