形態の特徴 |
高さ20mを越える落葉広葉樹でモミジ(カエデ)の仲間。雌雄異株。雄花、雌花ともに花弁とがくが5枚づつあり花全体が鮮やかな紅色をしている。一つの花の大きさは5mm程度と小さいが、木全体の枝先に多数ついて非常に美しく、名前の由来となっている。葉は長さ5cm前後でふぞろいな鋸歯がある。 |
生育環境 |
山地帯の山間湿地など地下水位の高い場所に生育。 |
生活史 |
開花は4月頃で葉が出る前に花が咲く。花は開花後数日で落ちる。実は6月頃に熟し、他のカエデ科植物と同じように2枚の翼がある。 |
分布状況 |
日本固有種。本州中部地方の主として伊勢湾に面した地域に分布。本県の外、愛知県、長野県南部に限定して見られる。県内では美濃地方東部の東濃地域に確認記録がある。 |
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減少要因 |
生育環境となる湿地の減少。本種の生育場所は、人間の生産活動の活発な場所でもあり、改変により生育場が消失している。 |
保全対策 |
湿地の保全・創出に配慮が望まれる。特に本種は東濃地域とその周辺地域に固有な種でもあるので、このような種が生育する立地の保全には十分配慮されたい。 |
特記事項 |
本種は、本県及び静岡県西部の一部から愛知県、三重県にかけての丘陵地に固有的に生育する「周伊勢湾要素」の植物の一つである。これらの植物は、本県では美濃地方東部の東濃地域に限定して分布が見られる。 |