形態の特徴 |
高さ80cm程度になる多年草。茎の先端が複数に枝分かれし、その枝に多数の花が並ぶ。その姿はまるで吸盤のついたタコの足のように見える。一つの花の大きさは5mm程度で色は黄緑色で地味な花である。果実は星形で中に粉のように小さい種子がぎっしりつまっている。 |
生育環境 |
丘陵帯の低地〜丘陵の湿地に生育。河川下流部の低湿地や農業用水池、泥湿地などに見られ、増水した時だけ水につかるような水位の変動する場所を好む。 |
生活史 |
開花時期は8〜10月頃である。9月中頃になって結実しはじめると茎の上部が赤褐色に色づく。 |
分布状況 |
本州、四国、九州、沖縄諸島に分布。国外では東アジアに広く分布。県内では美濃地方の羽島市、輪之内町、海津町など木曽三川下流部、土岐市などに確認記録がある。 |
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減少要因 |
本種は湿地の中でも水位変動が大きい場所でなければ持続的な生育はできず、やや特殊な場所に生育する植物といえる。このような環境のある場所としては農業用水池や河川のワンドなどが挙げられるが、改修などにより減少している。 |
保全対策 |
河川のワンドや池沼の水際の植生帯の保全・創出に配慮が望まれる。特に本種の生育場は増水時だけ水につかるような場所に限られるため、水際を緩傾斜としたり、多様な冠水頻度が形成されるよう起伏に富んだ湿地を形成させるなどに配慮したい。 |
特記事項 |
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