形態の特徴 |
高さ4〜5mになる落葉広葉樹。花は白色でややピンク色を帯びており、径7〜10cm。がくと花弁は同じような色・形で見た目には十数枚の花びらがあるような感じである。葉は長さ5〜10cmの倒卵形。 |
生育環境 |
丘陵帯の丘陵山間部の湿地に生育。貧栄養の湧水湿地の周辺に多い。 |
生活史 |
開花時期は3月下旬〜4月上旬頃で、他のモクレン類と同じように葉が出る前に花が咲く。 |
分布状況 |
東海地方に固有の種。本州中部地方の伊勢湾に面した地域に分布。県内では美濃地方東部の東濃地域を主体とした地域に分布。 |
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減少要因 |
過度の採取及び生育環境となる湿地の減少。本種の生育環境である丘陵地は、人間の生産活動の活発な場所でもあり改変により生育場が消失している。また、本種は庭木などとしても利用され移植も容易であるため採取により減少傾向にある。 |
保全対策 |
丘陵部山間湿地の保全・創出に配慮が望まれる。特に本種は東濃地域とその周辺地域に固有的な種でもあるので、このような種が生育する立地の保全には十分配慮されたい。 |
特記事項 |
本種は、本県及び静岡県西部の一部から愛知県、三重県にかけての丘陵地に固有的に生育する「周伊勢湾要素」の植物の一つである。 |