選定理由 |
既知のすべての生育地で生育条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。また、既知のすべての個体群がその再生産能力を上回る採取圧にさらされている。 |
|
形態の特徴 |
高さ10cmほどの小さな多年草。花は白色で径2cm程度である。なお、花びらのようにみえるのは「がく」で本来の花びらは退化してほとんど見えない。 |
生育環境 |
丘陵帯上部〜山地帯下部の落葉広葉樹二次林の林床に生育。石灰岩地を好む。 |
生活史 |
開花は2月頃であるが標高の高い所では3月頃。木々の葉が開き終わる5〜6月頃には地上部は枯れる。 |
分布状況 |
日本固有種。本州の関東以西に分布。県内では美濃地方の西部に確認記録が見られる。 |
|
減少要因 |
過度の採取及び生育環境となる落葉広葉樹林の減少。本種は山野草として非常に人気が高く採取により急激に減少している。また、本種はどちらかといえば"里山"にあるような落葉広葉樹林に生育するが、現在では利用価値がなくなったため伐採されたり、針葉樹植林に転換されたりして生育環境が急激に悪化している。 |
保全対策 |
生育地を公表する場合は、生育場所を特定できることのないよう配慮が望まれる。また、本種の生育環境となる二次林は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ定期的な除伐や草刈りなど積極的な環境管理が必要である。 |
特記事項 |
|