選定理由 |
既知のすべての生育地で生育条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。また、既知のすべての個体群がその再生産能力を上回る採取圧にさらされている。 |
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形態の特徴 |
高さ30cm前後になる多年草。花は暗赤紫色の鐘形で花茎の先端に下向きに一つつく。花の外側には白い毛が多い。なお、花びらのようにみえるのは「がく」で本来の花びらは退化しておりほとんど分からない。 |
生育環境 |
丘陵帯の低地〜低山地の日当たりのよい草地に生育。肥沃に富んだやや砂質の土壌を好む。 |
生活史 |
開花は4月頃で開花時の高さは10cmほどであるが、花後に花茎が上を向き伸長して高さ30cmほどになる。実は細長く尾状となるが、長い毛が密生し羽毛のようになる。 |
分布状況 |
本州・四国・九州に分布。国外では朝鮮半島、中国に分布。県内では県下全域の低地・低山地に点在して確認記録が見られる。 |
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減少要因 |
過度の採取及び生育環境となる草地の減少。本種は山野草として非常に人気が高く採取により急激に減少してしまった。また、本種の生育地は茅場(かやば)などとして定期的な草刈りにより維持されてきた二次草地である。しかし、こうした草地は生活様式の変化に伴い利用価値がなくなって改変されたり、放置されて樹林化したりして急激に減少している。 |
保全対策 |
本種の生育が確認された場合、公表に際しては確認場所の特定できないよう配慮が望まれる。また、本種の生育環境となる二次草地は、そのまま手をつけずに保全するよりもむしろ草刈りなど積極的な環境管理が必要である。 |
特記事項 |
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