本文
木造十一面観音立像(済法寺)
木造十一面観音立像[もくぞうじゅういちめんかんのんりゅうぞう]
分類 | 重要文化財 |
---|---|
指定別 | 県 |
所在地 | 岐阜市粟野西 |
所有者 | 済法寺 |
指定年月日 | 昭和41年9月14日 |
- 檜材一木造彫眼
- 像高:127.0cm台座の高さ:52.0cm
寺伝によると、済法寺は、貞観3年(861)如来ヶ岳山頂に、天台宗寺院として、創建され、本尊十一面観音、四天王をはじめ、千余躯の仏像を安置していた。後、保元年間(1156〜1158)に現地に移転、慶長年間(1596〜1614)に定彗円明が衰微していた寺運を再興し、禅宗妙心寺派とした。
本像は檜材、一木造の彫刻像である。左手に宝瓶[ほうびょう]をとり、右手は掌を前にして、垂下[すいか]し右足を少し遊ばせて蓮台に立っている。豊満な仏身には貞観風の重厚さがあり、肩からゆるやかな弧を描いて垂れた天衣はまことに流麗であり、おおらかな感じを抱かせる。顔は極めて優雅で気品の高い立派な観音像である。
全体にボリュームに富み、藤原末期の造顕と推定される。