選定理由 |
既知のすべての生息地で生息条件が著しく悪化しており、個体数が危機的水準まで減少している。 |
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形態の特徴 |
全長37cm前後のハトよりひと回り大きな鳥。雄の夏羽はまだら模様のある黒褐色で、雌は茶褐色。冬羽は純白になる。 |
生息環境 |
高山帯の低木林や草原に生息。 |
生態 |
留鳥。繁殖期(産卵から巣立ちまで)は5〜9月頃。巣はハイマツの根元などの地上の凹みに作る。5〜7月頃産卵し7〜8月にふ化する。ふ化したひなはすぐに親の後をついて歩く。餌は高山植物の芽、実、若根、種子など植物質を主とし、地上の昆虫類や小動物もとる。冬季も高山の深い雪の中で過ごす。 |
分布状況 |
本州中部山岳地帯の北アルプス、中央アルプス、南アルプス、八ヶ岳などの高山帯に分布。国外では北半球の寒帯に広く分布。県内では飛騨地方の上宝村、丹生川村、小坂町など北アルプスの高山帯に限定して分布している。白山では絶滅したとされる。また、県内の有数の生息地である乗鞍岳、御嶽山などでは生息数が減少傾向にある。 |
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減少要因 |
登山道開発に伴うハイマツ帯など生息域の分断や、登山者や観光客の増加に伴うゴミなど排出物の増加の結果として、病気、寄生虫、天敵となるキツネやカラスの増加が指摘されている。 |
保全対策 |
登山時に発生したゴミ類は必ず持ち帰るよう配慮したい。また、生息地配慮のため、登山道以外への立ち入り制限も必要であろう。 |
特記事項 |
国内希少野生動植物種(種の保存法)、特別天然記念物。 |