選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
頭胴長42〜58mm、体重5〜13gの小型のコウモリ。耳介がウサギのように長く、他のコウモリと容易に区別できる。体毛は背中側が淡褐色で腹側は灰褐色。 |
生息環境 |
山地帯の樹林に生息する。主として樹洞を昼間の「ねぐら」とするが、洞窟、家屋、トンネルなどに「ねぐら」を形成することも多い。 |
生態 |
繁殖期は7月〜9月頃であると考えられる。樹洞以外にも「ねぐら」を形成する種であるが、神経質な種で微妙な変化にも敏感に反応する。 |
分布状況 |
日本固有の亜種。北海道、中国地方を除く本州、四国に分布。種としては、我が国の他にヨーロッパ南部から中国東北部に分布。県内では飛騨地方の白川村、朝日村などで確認されている。 |
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減少要因 |
生息するためには樹洞が形成される大径木のある自然の壮齢林が必要である。 |
保全対策 |
大径木のあるような自然林は可能な限り保全に配慮が望まれる。 |
特記事項 |
本種のように家屋などを「ねぐら」や繁殖場に利用することのある種は、コウモリ小屋など"人工ねぐら"を造るのも生息に有効であるが、国内では成功例が2例しかなく、諸条件については研究者の指導のもと十分な検討を行う必要がある。日本産のものを亜種に区分しない考え方もあり、その場合は、"ウサギコウモリ"とされる。 |