選定理由 |
分布域の一部において生息条件が悪化しており、種の存続への圧迫が強まっていると判断される。 |
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形態の特徴 |
頭胴長80〜106mm、体重25〜35gの小型のモグラ。体毛は灰褐色〜黒色。前足は大きく、外形的には平野部の耕作地に多いコウベモグラに似るが、より小型である。 |
生息環境 |
丘陵帯〜高山帯の樹林に生息している。 |
生態 |
地表の腐植層下で生活し、ミミズ、昆虫・クモ類などを捕食している。 |
分布状況 |
日本固有種。本州に局地的に分布。県内では飛騨地方の白川村、荘川村、美濃地方の付知町、岩村町、萩原町などで確認されている。 |
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減少要因 |
本種は地表の腐植層で生活するため、生息環境は地表に落葉が厚く堆積(たいせき)し、地表性昆虫類などの多い環境に限られる。 |
保全対策 |
昆虫類など餌生物となる小動物が豊富な林床の保全・創出に配慮が望まれる。 |
特記事項 |
低山帯〜亜高山帯に生息するフジミズラモグラ、亜高山帯〜高山帯に生息するシナノミズラモグラ、広島県に生息するヒワミズラモグラの3亜種に区分する考え方もあるが、本調査ではミズラモグラ(種)として記載した。なお、環境省レッドリストでは、上記3亜種をそれぞれ準絶滅危惧に選定している。 |